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2007年2月

2007/02/21

アサヒ飲料「十六茶」をリニューアル(キャップも)

アサヒ飲料「十六茶」が、2007年2月に新・十六茶としてリニューアルした。これに伴い、キャップとボトルのデザインが一新された。キャップの方は、抹茶色のベタ●地に縦書きの筆文字ロゴで「十六茶」+下部に「あける→」表示(何れも白抜き)である。以前は、白地に横書きで「十六茶」であったため文字も大きめであったが、今回は、縦書きのうえ、「あける→」表示まで連なっているため、文字が若干小さくなり、左右の余白とのバランスが悪い。そもそも、「十六茶」を縦書きにすると全ての漢字がシンメトリーとなり、左右にメリハリが出にくいと思われる。また、「六」と「茶」の草冠の位置が近過ぎるため視認性(判読性)も良くない。一見するとミステリーサークルに見えなくもない。今年当たり、勘違いしたイギリス在住の宇宙人がこの文字を夜間麦畑に刻まないことを祈るのみである。あるいは、実際に日本の茶畑に「出現」させて、グーグルアース向けの宣伝媒体とすることも可能か。

キャップの色が、抹茶色という発想は、恐らく日本コカ・コーラ社の「爽健美茶」に対抗したものと思われるが、ブレンド茶と抹茶はダイレクトにイメージが重ならない。日本では、お茶といえば、緑茶であるため、「緑」を連想しがちであるが、そもそも「茶色」という言葉に体現されるように、お茶の色は「ちゃ色」である。それ故に「茶」と表現するようになったのだ。実際に、ペットボトル用に抽出された液体は、緑ではなく限りなく茶色に近い色になってしまっている。ましてや、ブレンド茶においてをやである。従って、ロゴの配色は落ち着いた色味の栗色あたりが、良いのではないかと思われる。あるいは、「十六茶」の成分である植物からの発想として、鮮やかで深いグリーンという選択肢もあったかも知れない。

ボトルも一新されている。こちらは、ラベルを剥がさないとよく分からないと思うが、ゆわゆる寸胴型で、上半分が「水面」や「波」をモチーフにしたおしゃれなシェイプとなっている。これらの波形の加工は持ちやすさも兼ね備えており、秀逸な仕上がりとなっている。下半分は、強度保持のための従来のアーキテクトである。ボトル底部に「asahi」のロゴが入っていることから、「十六茶」専用ボトルであることが分かる。アサヒ飲料のブレンド茶市場における意気込みがうかがえる。

参照キャップの賞味期限と製造所固有記号:071023/F[注1]

注1) アサヒ飲料(ソフトドリンク)の場合、「F」は富士宮市にある「富士山工場」のことを示す。富士山を一望出来るロケションと、さすが茶処に近い場所で製造している地政学的メリット。このことを、もっと宣伝すればいいのに、実に残念である。

2007/02/20

紅白コークの誕生

日本コカ・コーラ社が、「コカ・コーラ(R)」のペットボトルキャップを最近(2007年1月末頃確認)、赤くした理由について考えてみた。

第1の理由は、日本コカ・コーラ社のキャップのほとんどが「Coca-Cola」ないし「FROM Coca-Cola」に統一されてしまったことにより、戦略商品たる「Coca-Cola」キャップのイメージが相対的に地盤沈下してしまったことにある。以前にも述べたように、日本コカ・コーラ社は、「Coca-Cola(R)」を除く全てのペットボトルキャップに、独自のデザインを施していた。また、同一商品においても、キャラクターデザインのシリーズ化において、何種類ものキャップを制作していた。このことは、若年層の消費者(こどものことだよ)や何でも集めるコレクター(森永卓郎氏のこと)としては、うれしくもあり、面倒でもあったのではないか推察される[注1]。また、ベンダー(自動販売機)設置数日本一と相俟って、キャップデザインの豊富さが、商品展開の充実感をリアルに投影していたともいえる。ところが、日本コカ・コーラ社とCCNBC社によるコスト軽減の一環として、先ず、キャップデザインの統一と集約化が始まった[注2]。赤いキャップの登場はこのことの揺り戻し(反省)である。

第2の理由は、日本的な祝祭の象徴としての<紅白>の演出である。コンビニの陳列棚に注目すれば、そのことは直感的に理解出来るはずである。「赤いラベル」+「赤いキャップ」のレギュラー・コーク、「銀色のラベル」+「白いキャップ」のダイエットコカ・コーラ。この見事なまでの色彩的対比効果は、まさに商品の認知性の向上を目指したものといえる。更に言えば、コンビニよりもスーパーマーケット型の大型店舗を意識したものではないかと考えられる。スーパーマーケットの商品展開は、縦の面積を占めるラベル表示よりは、重ねても表示可能なキャップを見せることにより成立しているからである。日本コカ・コーラ社が、「Qoo」を初めとした、果汁入り飲料に、キャラクターデザインを多用した理由も、若年層の消費者(こども+真の購買者としてのおとなのことだよ)に対する訴求効果を狙っていた筈である。そうした本質的な商品宣伝戦略を無視したコスト軽減対策が果たして良かったのか、再検討が求められる時期であろう(偉そう! おまえは何様だ! の声しきり)。

さて、レギュラー・コーク(R)と書いてしまったが、コーク(Coke)とは、Coca-Cola本社が正規に認めた愛称である。ちなみに、ほとんどの英和辞典に収載されているが、とうとう日本では定着しなかったという悲しい歴史を秘めた単語でもある。「コークと呼ぼう!コカ・コーラ」。これは、1966年から1967年にかけて、日本コカ・コーラ社が、「コーク(Coke)」の愛称を日本にも定着させる目的で行った「コーク」キャンペーン時のキャッチコピーである。果たして、照れ屋さんの日本人が誰も「コーク」なんて呼び方をしなかったことは、皆様ご承知の通りである。なお、この辺の歴史については、『コカ・コーラ大歴史館』というホームページに詳しい。今でも、ハンバーガーショップの店頭で、少し気取って「コーク」とでも言おうものなら、怪訝な顔をされるか、英語でオーダーを復唱されてしまったりと、かなり恥ずかしい思いをするだけなので、出来れば避けたい単語である。

なお、コカ・コーラのボトルラベルには今なお「Coke」の表示が残っている(キャンペーンは続いているのか?)。ただし、ダイエットコカ・コーラに「Coke」の表示はない(終息宣言とみていいのか? あるいは、砂糖入りのみがCokeと呼ぶにふさわしいのか?)。

ダイエットコカ・コーラには、味の素社製造のパルスイート(R)(成分:アスパルテーム、L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムK)と呼ばれる砂糖の180~200倍の甘さを持つ合成甘味料が使用されている。また、最近認可されたスクラロースと呼ばれる砂糖の600倍の甘さを持つ合成甘味料も追加されている。通常のコークと比較した場合、ボトルを振ると泡がなかなか消えないのはこのためである。合成甘味料中のアセスルファムKとスクラロースは、増粘多糖類と総称される物質であるため、性質として納豆と同様に糸を引く。納豆にタレを加えると糸が良く引くのは、タレの中の砂糖が納豆中の増粘多糖類と相乗作用を起こすためである(ネバネバ好きの人は、納豆に小量の砂糖を加えると通常の2倍[小誌調べ]位の糸を引くので、試してみてください。なお、既に常識なので、敢えて言うまでもないと思いますが、ダイエット効果は期待できません)。

今回参照したコカ・コーラの賞味期限と製造所固有記号は以下の通り。「Coca-Cola(R)」:A 070620-EIW、「Diet Coca-Cola(R)」:E 070620-EIW[注3]。

注1) 「森永卓郎 B級コレクションのススメ 表情豊かな『キャップキャラクター』」 夕刊フジ (2007年2月8日) 19面 [2月20日現在『夕刊フジBLOG』未収録]
注2) 「CCNBC社によるコスト対策」 『ペットボトル時評』 (2006年5月6日)
注3) EIWは、利根コカ・コーラ (イーストジャパン) 岩城工場のことと思われる

2007/02/17

『しまんと焙茶』は手刈りである

『しまんと焙茶』のキャップは、「しまんと|緑茶|土佐十和村」となっている。キャップとラベルの表示が異なるので、多少紛らわしい。ボトル本体には、生産農家のお母さん達の顔写真とともに、(表)「じつは茶所|四万十川水系|しまんと焙茶|ほうじちゃ|(手刈り)」、(裏)「じつは茶所。四万十川。|霧深い四万十水系の茶畑で手刈りした茶葉を100パーセント使っています。」のコピーがある。伝えたい内容のみを実にコンパクトにまとめ、「四万十」「焙茶」などの漢字の読みを敢えて、両方一緒に表記することで、現在の教育水準の低下までをも見据えた、秀逸のキャッチとないる。これが、前回<名のあるデザイン事務所>と書いた所以である。
キャップのデザインも既存のフォント(太明朝+楷書体)の組合せだけで構成してあるにもかかわらず、バランス良くまとまっており、印象がすっきりしている。サントリーの『伊右衛門』が以前に使用していた「○に茶」のマークに通じるものがある。サントリーがわざわざ手書きの風のデザイン文字で、いわゆる「1/f(エフ分の1)ゆらぎ」効果を狙ったのに対し、「しまんと焙茶(緑茶)」の方は、わざわざそんな手の込んだことはしていないのに、同様の効果が得られている。これは、この商品の製造ロットが小規模のため、キャップの印刷がスタンプのような原理のもの(それが具体的に何かは知らないが)で行われていることに依るものと思われる。よく観察してみると、全体の○はセンターを外しており、文字の辺縁部にはインクの偏在が見られる。

私見であるが、ペットボトルキャップの魅力は、記念スタンプのような、こうした「ゆらぎ」にあるのではないかと思うことがある。「にじみ」「ずれ」「かすれ」などの一般的にはネガティブな要素の介入が、心を和ませてくれるのだと思う。これは、殊に当商品(お茶)が、広井茶生産組合の<手作り感><産地直送感>のようなものを醸し出すことに成功している。

こうした素人らしからぬアートディレクションと演出には、仕掛け人がいる筈であると考えて、ペットボトルのラベリにクレジット(著作権表示)されている「RIVER(R)」の文字を頼りに、Googleしたところ、以外な事実が判明した。冒頭で、『しまんと焙茶』のキャップが「しまんと|緑茶|土佐十和村」となっていて紛らわしいと書いてしまったが、実は『しまんと緑茶』が既に存在しているのだ。そして、「RIVER(R)」の実体は、四万十川中流域町村(大正町・十和村・西土佐村)が出資して、1994年11月に設立された第3セクターである「株式会社四万十ドラマ」という変な名前の会社が展開する<四万十川方式ネットワーク会員制度>のことらしい。「田舎と都会のやりとり」を理念として掲げており、日本最後の清流と言われる四万十川の風土と文化に対する愛着と誇りを感じる。また、物産を媒介とした地域活性化にかける意気込みもすごい。広井茶生産組合「しまんと茶工場」の『しまんと緑茶』『しまんと焙茶』もこのプロジェクトの一環として商品化されたものであった。因みに、緑茶には「手摘み」、焙茶には「手刈り」と自己申告されており、また、ホームページの冒頭には「誰も知らないお茶処。四万十川中流域、十和村」とあるように、<正直さ>もアピールポイントのようだ。

キャップコレクターとしては、「しまんと|緑茶|土佐十和村」(白地に緑色)のバージョン違いとして「しまんと|焙茶|土佐十和村」(白地に茶色)のキャップの登場を切望するものである。

2007/02/15

「ナチュラルローソンへようこそ!」における事実誤認についての「訂正とお詫び」

2007年2月 9日 (金)付「ナチュラルローソンへようこそ!」(以前は「ネイチャーローソンへようこそ!」と表記)記事中に重大な事実誤認がございました。記事中で<十津川の「釜いり茶」>とあるのは,<しまんと焙茶>の誤りでした。また<十津川村の共同組合>とあるのは<広井茶生産組合>の誤りでした。また,<ネイチャーローソン>とあるのは<ナチュラルローソン>のことです。関係者各位並びにブログ訪問者の皆様に,お詫び申しあげます。原因は,「四万十川」を十津川警部で有名な十津川村として記憶してしまい,記憶だけを頼りに,書いたことによるものです。人間の記憶の加減なことを実感するとともに,「あるある」と同様の誤りを自ら犯してしまったことの愚かさを反省いたします。お騒がせして,申し訳ございませんでした。

『ペットボトルキャップ時評』編集主幹 敬白

2007/02/09

ナチュラルローソンへようこそ!

私は日常生活では、コンビニくらいにしか行かない。従って、コレクションに偏りがある。どうしても大企業のものが中心になってしまう。それでも、毎日、「セブンイレブン」「ファミリーマート」「サンクス」「ローソン」「デイリーヤマザキ」「ap・am」程度はチェックするように心がけている。なぜなら、コンビニは店舗のロケーションや規模により、品揃えが必ずしも一定ではないからだ。POSシステムにより、個々人の趣向が蓄積され、マスとしての消費動向を捉えられるようになった結果である。だから、新製品をいち早く見つけるために、日々キャップの表面ばかり見ている。

ところが、「ナチュラルローソン」には入ったことがなかった。余りに洗練されすぎていて、私のような「ロハス」とか「血液サラサラ」とか「あるある」とかに極度の嫌悪感を持つ者にとって、いわば結界が張り巡らされているように見えたからだ。ところが、中にどうも見慣れないペットボトルが並んでいるのを発見した。ミネラルウォーターの壁だ。余りの種類の多さに、まごまごしていたら、十津川の「釜いり茶」のペットボトルキャップを発見した。これは、十津川村の共同組合で作られているお茶である。村興しの一環なのだろうが、恐らく名のあるデザイン事務所にパッケージ制作を依頼したと思われる程の完成度の高さであった。でも、他ではみたことがない。デザインの良さと販売量には何の相関もないことが良く分かる。

2007/02/01

Coca-Cola(R)お醤油になるの巻

2007年1月31日~2月1日にかけて,「Coca-Cola (R)」の新しいペットボトルキャップを見た。赤地に,白いボトルのデザイン+「cocacola.jp」のインターネットアドレス+上下の「→あける」である。全体的なイメージは,お醤油である。

以前より,指摘していたこと[1]ではあるが,今回の赤いキャップにて,日本コカ・コーラ社は,完全に「お醤油化」の路線を突き進む覚悟が出来たようだ。ならば,応援するしかない。みんな,Coca-Colaを飲もうよ!と。

いっそのこと,ガラス瓶時代の伝統的ボトルシェイプもかなぐり捨てて,醤油のペットボトルを採用してはどうだろうか。ただし,良く観察すると,炭酸飲料用ボトルの宿命としての5本脚だったりして,オリジナルとは非なるものである。1950年代のロケットの方がよりイメージとして近い。

[1] ペットボトルの形状が多様化 『ペットボトル時評』 2006-05-06.

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