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2007/02/20

紅白コークの誕生

日本コカ・コーラ社が、「コカ・コーラ(R)」のペットボトルキャップを最近(2007年1月末頃確認)、赤くした理由について考えてみた。

第1の理由は、日本コカ・コーラ社のキャップのほとんどが「Coca-Cola」ないし「FROM Coca-Cola」に統一されてしまったことにより、戦略商品たる「Coca-Cola」キャップのイメージが相対的に地盤沈下してしまったことにある。以前にも述べたように、日本コカ・コーラ社は、「Coca-Cola(R)」を除く全てのペットボトルキャップに、独自のデザインを施していた。また、同一商品においても、キャラクターデザインのシリーズ化において、何種類ものキャップを制作していた。このことは、若年層の消費者(こどものことだよ)や何でも集めるコレクター(森永卓郎氏のこと)としては、うれしくもあり、面倒でもあったのではないか推察される[注1]。また、ベンダー(自動販売機)設置数日本一と相俟って、キャップデザインの豊富さが、商品展開の充実感をリアルに投影していたともいえる。ところが、日本コカ・コーラ社とCCNBC社によるコスト軽減の一環として、先ず、キャップデザインの統一と集約化が始まった[注2]。赤いキャップの登場はこのことの揺り戻し(反省)である。

第2の理由は、日本的な祝祭の象徴としての<紅白>の演出である。コンビニの陳列棚に注目すれば、そのことは直感的に理解出来るはずである。「赤いラベル」+「赤いキャップ」のレギュラー・コーク、「銀色のラベル」+「白いキャップ」のダイエットコカ・コーラ。この見事なまでの色彩的対比効果は、まさに商品の認知性の向上を目指したものといえる。更に言えば、コンビニよりもスーパーマーケット型の大型店舗を意識したものではないかと考えられる。スーパーマーケットの商品展開は、縦の面積を占めるラベル表示よりは、重ねても表示可能なキャップを見せることにより成立しているからである。日本コカ・コーラ社が、「Qoo」を初めとした、果汁入り飲料に、キャラクターデザインを多用した理由も、若年層の消費者(こども+真の購買者としてのおとなのことだよ)に対する訴求効果を狙っていた筈である。そうした本質的な商品宣伝戦略を無視したコスト軽減対策が果たして良かったのか、再検討が求められる時期であろう(偉そう! おまえは何様だ! の声しきり)。

さて、レギュラー・コーク(R)と書いてしまったが、コーク(Coke)とは、Coca-Cola本社が正規に認めた愛称である。ちなみに、ほとんどの英和辞典に収載されているが、とうとう日本では定着しなかったという悲しい歴史を秘めた単語でもある。「コークと呼ぼう!コカ・コーラ」。これは、1966年から1967年にかけて、日本コカ・コーラ社が、「コーク(Coke)」の愛称を日本にも定着させる目的で行った「コーク」キャンペーン時のキャッチコピーである。果たして、照れ屋さんの日本人が誰も「コーク」なんて呼び方をしなかったことは、皆様ご承知の通りである。なお、この辺の歴史については、『コカ・コーラ大歴史館』というホームページに詳しい。今でも、ハンバーガーショップの店頭で、少し気取って「コーク」とでも言おうものなら、怪訝な顔をされるか、英語でオーダーを復唱されてしまったりと、かなり恥ずかしい思いをするだけなので、出来れば避けたい単語である。

なお、コカ・コーラのボトルラベルには今なお「Coke」の表示が残っている(キャンペーンは続いているのか?)。ただし、ダイエットコカ・コーラに「Coke」の表示はない(終息宣言とみていいのか? あるいは、砂糖入りのみがCokeと呼ぶにふさわしいのか?)。

ダイエットコカ・コーラには、味の素社製造のパルスイート(R)(成分:アスパルテーム、L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムK)と呼ばれる砂糖の180~200倍の甘さを持つ合成甘味料が使用されている。また、最近認可されたスクラロースと呼ばれる砂糖の600倍の甘さを持つ合成甘味料も追加されている。通常のコークと比較した場合、ボトルを振ると泡がなかなか消えないのはこのためである。合成甘味料中のアセスルファムKとスクラロースは、増粘多糖類と総称される物質であるため、性質として納豆と同様に糸を引く。納豆にタレを加えると糸が良く引くのは、タレの中の砂糖が納豆中の増粘多糖類と相乗作用を起こすためである(ネバネバ好きの人は、納豆に小量の砂糖を加えると通常の2倍[小誌調べ]位の糸を引くので、試してみてください。なお、既に常識なので、敢えて言うまでもないと思いますが、ダイエット効果は期待できません)。

今回参照したコカ・コーラの賞味期限と製造所固有記号は以下の通り。「Coca-Cola(R)」:A 070620-EIW、「Diet Coca-Cola(R)」:E 070620-EIW[注3]。

注1) 「森永卓郎 B級コレクションのススメ 表情豊かな『キャップキャラクター』」 夕刊フジ (2007年2月8日) 19面 [2月20日現在『夕刊フジBLOG』未収録]
注2) 「CCNBC社によるコスト対策」 『ペットボトル時評』 (2006年5月6日)
注3) EIWは、利根コカ・コーラ (イーストジャパン) 岩城工場のことと思われる

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