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2007/04/17

伊藤園の 『pure water』 東急線沿線地域限定販売のなぞ

2007年4月9日、伊藤園は 『pure water (ピュアウォーター)』 [注1]を東急 (東京急行) 沿線のみでの限定販売を開始した(知らなかった)。情報を得て、早速入手のため、東急東横線まで出向いた。終電間際であったため、今回、伊藤園と共同開発を行ったとされる駅中の売店 「toks(トークス)」 (東急ステーションリテールサービス)[注2]は既に店仕舞しており、入手は叶わなかった。

ところが、雨の中家路に就いて、地元の駅に降り立った瞬間、伊藤園の自販機の中に下手くそな象のイラストのパッケージがあった。『pure water』である。めまいがした。110円であった。私の住んでいる私鉄は東急線ではないため、10円割高であった。従って、東急線沿線で限定なのは、ワンコインということのみである。いずれにしても、これからは雨の中遠出をしないで済むのはありがたい。

さて、キャップであるが、白地にブルー(群青)で「四つ葉マーク」+社名の英語表記「ITO EN」であった。これは、同日発売された 『Aroma Rose WATER』 と対をなすものである(驚き)。水の「ブルーキャップ」に対して、薔薇の「グリーンキャップ」ね(って、何でピンクじゃないの、ピンクでも十分かわいいのに)。恐らく、『Aroma Rose WATER』 の方の「緑」は葉っぱのメタファーだと思われる。

「賞味期限は、キャップの横に西暦下二桁、月日の順で表示」の表記を外したキャップが同時期に2パターン登場していたことの理由は何処にあるのだろう。 『Aroma Rose WATER』 の方はオシャレ感の演出であろうが、 『pure water』 の方は、廉価版であることのアピールであると考えられる。 『pure water』 のパッケージをよく観察すると色使いとイラストがデザイン的要素の全てであることに気付く。色使いは白地に青(ネービーブルー)のみで、エンピツ書き風なタッチで、川面に佇む象と針葉樹らしき樹木のイラストが添えられている。これは、100円の商品であることを印象づけるための高度な手法である。この下手くそなイラストこそ、藤枝リュウジ氏[注3]という著明なイラストレーターの手になるものである。従って、開発にはかなりのコストが掛かっており、決して手抜きなどとは言えない。敢えて、<安さ>を演出しているのである。 『無印良品(R)』 が、無印商品でないことのパラドクスに似ている。更に、キャップも、全面に文字や図象があった方が、検品率が上がるはずであるにもかかわらず、敢えて、キズが目立つ白地の多いものを使用している。

これは仮説であるが、伊藤園は、ミネラルウォーター市場に価格破壊をもたらそうとしているのではないだろうか。これまで、商品ラインナップに、ニアウォーターしかなかったこともあり、一気に市場参入を果たすには、価格面での勝負になるはずである。しかしながら、大手飲料メーカーの名だたる商品は既に確固としたポジショニングを完了している。そこで、クリスタルガイザーより安い価格設定に及んだものと考えられる。良く考えてみると判ることであるが、他の種類の清涼飲料水(日本茶、中国茶、紅茶などのお茶系飲料、コーヒー飲料、野菜・果汁飲料、炭酸飲料)に掛かるコストに較べて、ミネラルウォーターのボトル詰めコストは格段に低い筈である。たとえ、山梨県のように、水源税を徴収しようとする動きがあったにしてもである。換言すると、ミネラルウォーターは利益率が非常に高い優良商品なのである。まさに、ペットボトルの登場とともに急成長した市場といえる。

伊藤園の今回の 『pure water』 の投入の目的は、基礎データ収集である(想像)。

■参照キャップデータ■
賞味期限+製造所固有記号: 「090315/B30」。賞味期限は24カ月(未開封)。製造所「B30」は,ゴールドパック社「あずみの工場」(受託製造)である。キャップは、通常タイプの洗浄スリット(6カ所)入り(ロット番号:H56-07)。ボトルは東洋製罐製(ロット番号: F-6)。商品がミネラルウォーターであるにもかかわらず、不要である洗浄スリット入りのキャップを使用している理由は、お茶用のキャップの印刷工程において、刷り色のみを替えることで,同一ラインでの製造が可能だからである。時間とコストの節約になる(想像)。

■ミネラルウォーターデータ■
品名: ナチュラルミネラルウォーター | 原材料名: 水(鉱水) | 採水地: 長野県安曇野市堀金烏川 | 500mL中の成分: ナトリウム 7.2mg、カリウム 0.3mg、カルシウム 3.0mg、マグネシウム 1.2mg、硬度 25mg/L、pH 記載なし[注4]

注1) 東急ステーションリテールサービスホームページ「ミネラルウォーター「pure water」を100円で好評販売中!」(2007年4月17日現在)
注2) 「TOKS(トークス)」 とは、JRの 「キヨスク (2007年7月からはキオスク)」 のような形態の駅中の売店である。一部、コンビニエンスストア展開も行っている。東急線沿線にしかないため、他の私鉄線沿線住民には馴染みが薄い。象がシンボルマークである (であった?)。
注3) 藤枝リュウジ氏のオフィシャルサイト
注4) ゴールドパック社「あずみの工場」 (長野県安曇野市堀金烏川1984-1) 『北アルプス安曇野の天然水』 と同一成分であることから、pH7.5である。 「硬度 25mg/L」 という表記はめずらしい。硬度とは、1リットル中に含有するカルシウムとマグネシウムの総量と定義されているが、実際には、炭酸カルシウム(CaCO3)の含有量に換算されて示されるため、カルシウムとマグネシウムの総量が25mgと言うことではない。従って、「硬度25」と表示する方が判りやすい。因みに、換算のため、以下の簡易計算式「CaCO3[mg/L]=(Ca値[mg/L]×2.49)+(Mg値[mg/L]×4.11)」が用いられる。なお、ゴールドパック株式会社は、東急グループ創業者の五島慶太氏が、出身地長野県に1959年に設立した東急グループの会社である。

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コメント

メール送りましたけど届きましたか?ちょっと送信の具合が悪かったようなので。届いていないようでしたら、お手数ですがご連絡いただけませんか?

相変わらず、とても興味深い記事ですねぇ。ふむふむ。

それにしても、沿線でないところは10円高いってのは、ちゃっかりしてますね。(笑)

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