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2007/06/08

青色ベタ丸ペットボトルキャップのアイソトニック飲料を比較する

日本のスポーツドリンク (アイソトニック飲料) の歴史は、大塚製薬が1980年に 『POCARI SWEAT (ポカリスエット)』 245mL入りスチール缶を発売したことに始まる。開発経緯に関しては、いろいろなエピソードが語られており、いささか都市伝説の様相を呈しているが、大塚製薬の公式ホームページ上の 「ヒストリー」 [注1] によれば、医療用生理食塩水にヒントを得たものらしい。成分比や電解質濃度は全く異なるが、医療用電解質輸液のうち、 「脱水補給 (2号) 液」 のカテゴリーのものと比較的内容が近い。このことは、開発経緯の信憑性を裏付けている。

なお、1960年代中頃に開発された本家 『ゲータレード』 [注2] の日本での販売の歴史は、 『ウィキペディア (Wikipedia)』 によると以下の通りである。1970年4月、大正製薬が導入、販売開始。1980年、雪印食品がライセンス契約、国内での製造・販売開始。1995年、雪印乳業へ業務移管。1998年、雪印乳業とポッカコーポレーション業務提携。2004年、雪印からサントリーフーズへ製造・販売権譲渡。なかなか、興味深い経緯である。

1980年に発売されたスチール缶は、青地に白抜きで 「POCARI SWEAT」 + 「白い波線」 で、現在使用されているデザインと大差ない。ヘルムート・シュミット氏のこのタイポグラフィーデザインが、この商品の性格を決定付けた。その後のアイソトニック飲料は、この配色から多大な影響を受けている。以下に挙げる4種類のペットボトルキャップが、白地ベースに青~群青色のベタ丸 (●) +白抜きロゴであることは、決して偶然ではない。本邦で、アイソトニック飲料といえば、米国生まれの 『ゲータレード』 ではなく、 『ポカリスエット』 とほとんどの人が認識している証でもある。従って、各企業とも、この配色の呪縛から逃れることが出来ずにいる。

(a) 『POCARI SWEAT』 (大塚製薬、1980年)
(b) 『AQUARIUS (R)』 (日本コカ・コーラ、1983年)
(c) 『MiU SPORT WATER』 (ダイドードリンコ、2005年3月 『D SPORTs MIU』 として発売、2007年5月 『MiU SPORTWATER』 にリニューアル)
(d) 『THOAPEDO [TM]』 (ヤクルト、2006年5月 [注3]、その後、2006年11月21日、当商品の名称の由来でもあるイアン・ソープ氏引退表明を受けて、2007年6月、パッケージをリニューアル [注4])

これらのアイソトニック飲料がほぼ同じ構成であることは、以下の栄養成分の比較からも明かである。各々の特徴を演出すために、各種アミノ酸などを添加しているが、基本的コンセプトにおいてさほどの違いはない。

表.アイソトニック飲料栄養成分比較一覧表

栄養成分(100mLあたり)

(a)
ポカリ 
(b)
アクエリアス 
(c)
ミウスポーツ 
(d)
ソーピード 
エネルギー(kcal) 27 19 17 18
たんぱく質(g) 0 0 0 0.1
脂質(g) 0 0 0 0
炭水化物(g) 6.7 4.7 4.5 4.5 → 3.4
ナトリウム(mg) 49 34 33 25
カリウム(mg) 20 8 2.3-4.4 24
カルシウム(mg) 2 0 0.8 8
マグネシウム(mg) 0.6 1.2 4 1
アルギニン(mg) 25
イソロイシン(mg) 1
バリン(mg) 1
ロイシン(mg) 0.5
クロール(mg) 65
オルニチン(mg) 40 → 0
L-カルニチン(mg) 0 → 20

また、スポーツドリンクとして、各種スポーツ団体からのお墨付き貰うという販売戦略のフォーマットも共通した特徴である。

(a) 日本少年野球連盟の公認スポーツドリンク
(b) 国際オリンピッック委員会 (IOC) 公式スポーツ飲料、国際サッカー連盟 (FIFA) World Cup [TM] 公認スポーツ飲料、(財)日本アンチドーピング機構公式認定飲料
(d) 国際水泳連盟 (FINA) オフィシャルパートナー

むしろ、こうした確立したフォーマットが存在することで、商品を販売していく上でのアドバンテージが与えられている。従って、いかに 「物真似」 と揶揄されようとも、変なオリジナリティを発揮することなく、この日本固有の様式美を墨守すべきである。消費者としても、キャップを見ればどんな飲み物なのか一目瞭然なので非常に助かる。青色ベタ丸キャップに栄光あれ。

■ 商品表示データ ■
 (a) 『POCARI SWEAT』 (500mLペットボトル入り)
<原材料名>砂糖、ぶどう糖、食塩、酸味料、塩化カリウム、乳酸カルシウム、調味料(アミノ酸)、塩化マグネシウム、香料、酸化防止剤(ビタミンC)
 (b) 『AQUARIUS (R)』 (500mLペットボトル入り)
<原材料名>高果糖液糖、はちみつ、塩化ナトリウム、海藻エキス、ローヤルゼリー、クエン酸、クエン酸ナトリウム、香料、アルギニン、塩化カリウム、塩化マグネシウム、乳酸カルシウム、酸化防止剤(ビタミンC)、甘味料(スクラロース)、イソロイシン、バリン、ロイシン
 (c) 『MiU SPORTWATER』 (500mLペットボトル入り)
<原材料名>果糖、海洋深層水、海藻エキス、香料、酸味料、粗製海水塩化マグネシウム、酸化防止剤(ビタミンC)
 (d-1) 『THOAPEDO [TM]』 (6角500mLペットボトル入り、2007年5月 「イアン・ソープ」 バージョン)
<原材料名>果糖、海藻エキス、食塩、オルニチン、酸味料、香料、乳酸カルシウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、甘味料(スクラロース)
 (d-2) 『THOAPEDO [TM]』 (6角500mLペットボトル入り、2007年6月バージョン)
<原材料名>果糖、海藻エキス、食塩、L-カルニチンL-酒石酸塩、酸味料、香料、乳酸カルシウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、甘味料(スクラロース)

■ 参照キャップデータ ■
 (a-1) 『POCARI SWEAT』 (四角500mLペットボトル) の賞味期限+製造所固有記号: 「080101/ONY 15:09」。賞味期限は8カ月 (未開栓)。キャップは、日本山村硝子社製 「TEN-キャップ」、洗浄スリットなし [ノーマルタイプ] 洗浄スリット入り (ロット番号:c4-16)。ボトルは、北海製罐社製 (ロット番号:037)。
 (a-2) 『POCARI SWEAT』 (30%軽量化丸形7脚500mLペットボトル) の賞味期限+製造所固有記号: 「080113 OJT」。賞味期限は8カ月(未開栓)。キャップは、日本クラウンコルク社製ワンピースキャップ 「28NCフラップ」 [粗ギザタイプ] (ロット番号:N51-8)。ボトルは自社成型(ロット番号:T1/8L)。
 (b) 『AQUARIUS (R)』 (500mLペットボトル) の賞味期限+製造所固有記号: 「A 070025-SZA」。賞味期限は7カ月(未開栓)、製造所は蔵王工場。キャップは、Alcoa社製ワンピースキャップ [ノーマルタイプ] 洗浄スリット入り (ロット番号:P10-17)。ボトルは、吉野工業所製 (ロット番号:48/94)。
 (c) 『MiU SPORTWATER』 (500mLペットボトル) の賞味期限+製造所固有記号: 「071220/D32」。賞味期限は8カ月(未開栓)。キャップは、ワンピースキャップ [ノーマルタイプ] 洗浄スリット入り (ロット番号:72/17/H)。ボトルは、吉野工業所製 (ロット番号:22/60)。
 (d-1) 『THOAPEDO [TM]』 (500mLペットボトル、<ラベル>:「イアン・ソープ」バージョン) の賞味期限+製造所固有記号: 「071122/ YM11/ LECB」。賞味期限は240日(未開栓)。キャップは、日本クラウンコルク社製ワンピースキャップ [ノーマルタイプ] 洗浄スリット入り(ロット番号:H50-32)。ボトルは、東洋製罐社製 (ロット番号:M/3)。
 (d-2)* 『THOAPEDO [TM]』 (500mLペットボトル、<ラベル>:「2007年6月」バージョン) の賞味期限+製造所固有記号: 「080103/ SA02/ TEHB」。賞味期限は約8カ月。キャップは、日本クラウンコルク社製ワンピースキャップ [ノーマルタイプ] 洗浄スリット入り(ロット番号:H55-27)。ボトルは、吉野工業所製 (ロット番号:15/84)。

 *(d-2)の新ボトルは、TVCF、JR線の中吊り広告、駅貼り広告などで、この頃良く見かけるが、実物を手するのは難しい。とりわけ、ヤクルトは自販機設置台数が少なく、提携先のキリンビバレッジ社の自販機でも扱っていない場合があるためである。今回は、わざわざ新橋のヤクルト本社前の自販機で購入した。ただし、キャップは、前回のものと同じであった。ラベルのロゴが変わったので、多少の期待はあったが、誠に残念である。

注1) 『ポカリスエット』 公式ホームページ「商品情報」中の「ヒストリー」の項目参照
注2) 「ゲータレードの歴史」、 『ゲータレード』 公式ホームページ参照
注3) 「体力と体型をマネジメントする機能性飲料 「THORPEDO (ソーピード)」 を新発売」 ヤクルト、ニュースリリース (2006/05/11)
注4) 「低GIスポーツ飲料 「THORPEDO (ソーピード)」 をリニューアル発売」 ヤクルト、ニュースリリース (2007/05/10)

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