« ナショナルクラウンの倒産 | トップページ | ニューボトルの 『C1000 レモンウォーター』 のキャップにレジスターマーク登場 »

2008/09/30

『チチヤス ヨーグルトテイスト』 の 「チー坊」 キャラクターキャップ

ダイドードリンコは、2008年9月29日 (月)、チチヤスとの共同企画製品である 『チチヤス ヨーグルトテイスト』 を発売した [注1] (2008年9月30日、サンクス、NEWDAYS、スルーエフの各店頭にて確認、税込み1本147円)。ダイドードリンコの製品は、販売チャネルが限られていることから、都内での入手には、これまで発売から1カ月程度の期間を要した。また、販売店舗も限られていた。ところが、今回は発売日の翌日、日頃立ち寄るコンビニで入手出来た。ダイドードリンコのこの製品に対する意気込みの程が伺える。

パッケージに曰く、「明治19年創業のチチヤスは大正6年日本で初めてヨーグルトを発売しました」。チチヤスは、実に長い伝統を持つメーカーである。

使用されているアイコンは 「チー坊」 である。「チー坊」 は、2007年のリ・ブランディング (rebranding) 戦略の一環として、過去から甦って来たキャラクターである。リ・ブランディングとは、ブランド再構築のことで、通常は、携帯電話の 「NTT docomo」 の例のように、ロゴマークを一新するものであるが、チチヤスの場合、歴史と伝統があり、それなりのブランド資産もあったことから、昭和27年~昭和40年頃 [1953年~1965年頃] に使用されていた 「初代チー坊」 の再登板となった。このポップなキャラクターをコーポレートシンボルとして前面に押し出す戦略が見事に図に乗り、2007年4月1日に発売された 「チチヤスヨーグルト」 (赤ラベル) と 「チチヤス低糖ヨーグルト」 (水色ラベル) は、2007年度グッドデザイン賞受賞に輝いている [注2-4]。当然、売上げに貢献したことは言うまでもない。

この昭和30年代的キャラクターの最大の特徴は 「後ろ姿」 バージョンが、リ・ブランディングに際して、新たに用意されたことである。まさに、キャラクターのキャラクタライジング (特徴付け) である。このアイデアが、一連のパッケージデザインにおける成功の最大の勝因であったと言える。

「チー坊」 は、女の子にも、男の子にも見える (これも時代の要請か)。「坊」 が付くから男の子だろうが、過去に杉田かおるの例もあるので、予断は禁物である。まあ、普通に考えれば、「坊」 とは 「坊主頭」 の 「坊」 だから、男の子である。それに、「チー坊」 は、2代目から4代目まで存在し、全て男の子として描かれている。歴代キャラクターの中には 「チーママ」 も存在するが、ここでは敢えて触れない。また、今回の 「チー坊」 の耳たぶの下に添えられている 「登録商標」 マーク (R) も、女の子に見える一因かもしれない。一見すると、ピアスチャームのように見えるからだ。因みに、「商標登録」 マーク (R) ではなく、サービスマーク 「TM」 が添えられる場合もある [注2]。これは今回のリ・ブランディングに際して、「チー坊」 の図案が、2007年2月20日に商標出願され、製品発売の約8カ月後の2007年11月22日に登録されるまでの期間にとられた暫定的措置と考えられる。と言うことは、「初代チー坊」 のキャラクターは、1965年以降ずっと放置されていたことになる。実にもったいない話である。

「チー坊」 の魅力は、そのポップでキッチュなテイストにある。被っているのは、恐らくぼんぼりの付いた 「正ちゃん帽」 である。昭和30年代の少年少女はみんな被っていたものだ。また、坊主 (男子の意味) のくせに、ニット帽から前髪がふさっと出ているのもかわいい。目が黒丸のみで表現され、口の位置が目に近接していること、また顔の比率が横長なこと、等々を総合して勘案すると、就学前の乳幼児をイメージしていることが分かる。こうしたキャラクターは昭和30年代の流行であった。雪印アイスクリームやウンナーキャラメルのアイコンキャラクターに散見される。

これは当時の漫画表現に影響を受けたものである。登場人物を極度に記号化することで、ストーリーテラーとしての役割に限定するという手法である。根本進 『クリちゃん』(1951年)、益子かつみ 『さいころコロ助』(1953年頃)、杉浦茂 『猿飛佐助』(1954年)、『少年児雷也』(1956年)、寺田ヒロオ 『スポーツマン金太郎』(1960年) などの主人公の目は、ほとんどが楕円の黒丸かポップアイであり、特に表情を持たない。その後の少女マンガに見られる 「キラキラ」 表現や、現在のMANGAやゲームキャラに見られる 「虹彩」 表現は意図的に排除されていたと言える。こうした単純化されたキャラクターがアイコンに最適なことから、再評価され、今回のフィーチャーに繋がったと思われる。しかしながら、アイコンはその時代の雰囲気の中で消費されるものであり、永遠ではない。今回の 「チー坊」 は、その描線が余りにシャープで、洗練され過ぎている感が否めない。ネットを検索すると分かるが、多くの人々はこのキャラクターが最近作られたものと考えている。そこにチチヤスのレジェンドを読み取ることは出来ない。この作者不詳のキャラクターが生きながらえるには、もう少し、時代 (色) を付けた方がよいのではないだろうか。

キャップの意匠は、白色キャップ地にチチヤスヨーグルトのキャラクターである 「チー坊」 のアイコンが、パッケージと同じパステル調の水色で描かれている。乳性飲料の爽やかさが表現されたポップでキュートな仕上がりになっている。なお、キャップには、パッケージの前後に描かれた図柄と同一の、(a) 「正面」 バージョンと (b) 「後頭部」 バージョンの2種類が存在する。「後頭部」 バージョンのほうが混入率は低いものの、一つの棚に2~3本はあるので、それほどレアという訳ではない。はっきり言って 「後頭部」 バージョン単独では、チチヤス製品に馴染みのない顧客にとって、「こりは何だ」 的な意味不明キャップとなる可能性がある。あくまで2個一組と考えたい。ダイドードリンコお得意の 「隠れキャラ」 としても良かったかも知れない。また、本家 『チチヤスヨーグルト』 には、クリスマスの時期、サンタクロースバージョンが存在した。そうしたスペシャルキャップの出現も今後の楽しみの一つである。ついでに、赤色バージョンの製品も期待したいところである。

何れにしても、かわいいキャラクターキャップの出現はうれしい。今年一番のお気に入りキャップである。

■ 商品表示データ ■
『チチヤス ヨーグルトテイスト』 (500mL角形耐熱PETボトル)
<名称> 清涼飲料水
<原材料名> 糖類 (果糖ぶどう糖液糖、砂糖)、脱脂粉乳、乳製品乳酸菌飲料 (殺菌)、酸味料、安定剤 (大豆多糖類、ペクチン、CMC)、香料、乳化剤、カラメル色素
<栄養成分> (100mL当たり) ●エネルギー:47kcal ●たんぱく質:0.3g ●脂質:0g ●炭水化物:11.5g ●ナトリウム:22mg
<販売者> ダイドードリンコ株式会社 (大阪市北区中之島2-2-7)
<JAN> 4-904910-222933

■ 参照キャップデータ ■
(a) 『チチヤス ヨーグルトテイスト』 (500mL角形耐熱PETボトル) の賞味期限+製造所固有記号: 「090606/D04」。賞味期間は約9カ月 (未開栓)。キャップは、日本クラウンコルク社製 「28NCフラップホット」 ワンピースキャップ (ロット番号:H74-22)[ノーマルタイプ](洗浄スリット6個所)。ボトルは東洋製罐社製 (ロット番号:F/7)。プリフォーム [白] (ロット番号:4-52)。製造ロット番号:LOT VFA5

(b) 『チチヤス ヨーグルトテイスト』 (500mL角形耐熱PETボトル) の賞味期限+製造所固有記号: 「090531/D04」。賞味期間は約9カ月 (未開栓)。キャップは、日本クラウンコルク社製 「28NCフラップホット」 ワンピースキャップ (ロット番号:H74-50)[ノーマルタイプ](洗浄スリット6個所)。ボトルは東洋製罐社製 (ロット番号:F/2)。プリフォーム [白] (ロット番号:5-73)。製造ロット番号:LOT UDA5

注1) 「ダイドードリンコ×チチヤスのコラボレーション企画 ヨーグルトのパイオニア 『チチヤスヨーグルト』 のおいしさがそのまま飲料になりました チチヤス “チー坊” の乳性ウォーターが登場! 『チチヤス ヨーグルトテイスト』」 DyDo Release No.550 (2008/09/17)
注2) 「チチヤス」 (ホームページ)
注3) 「『チチヤスヨーグルト』、グッドデザイン賞受賞のお知らせ」 (ホームページ)
注4) 「2007年度グッドデザイン賞受賞 (チチヤスヨーグルト)」 日本産業デザイン振興会 『グッドデザインファインダー』
注5) チー坊 (商標登録第5092884号、2007年11月22日)

« ナショナルクラウンの倒産 | トップページ | ニューボトルの 『C1000 レモンウォーター』 のキャップにレジスターマーク登場 »

コメント

下記お尋ねします。
容器に「まれに液体の分離がありますが………」
生協より購入しその日に開封しても分離している。
担当者の説明によれば「ヨーク゜ルトはそうゆうものです」と回答がが有った。
濃度の問題か解りませんが、ご連絡ください。

諏佐さま こんにちは

この度は、わざわざお問い合わせ頂きましたが、私は、チチヤスとは全く関係がございません。趣味のペットボトルキャップコレクターに過ぎません。従いまして、お答えする立場にはございません。ですが、「袖ふれあうも多生の縁」と申します。折角、拙い内容のブログをお読み頂きましたので、そのお礼といたしまして、若干のご説明を申しあげます。

ご承知のように、ヨーグルト類は、牛乳に乳酸菌と酵母を混ぜて製造します。

牛乳の成分のうちのガゼインという蛋白質は、乳酸菌により生成された乳酸により100℃近くで凝固する性質を持ちます。ガゼイン凝固と呼ばれる現象です。これに酵母による発酵を加えたものがヨーグルトです。発酵により、雑菌の侵入を抑制し、腐敗が防止されます。発酵食品は全てこのメカニズムに基づくものです。

ヨーグルトは製造直後は、固形成分 (カード) に水分を取り込んだ状態のまま安定していますが、時間経過や振動を加えることにより、「離水現象」 を引き起こします。豆腐をお皿に盛ってそのままにしておくと、水分が滲み出て、お醤油が薄まるのに似ています。

ヨーグルトが分離して出てきた 「水みたいなもの」 の正体は、乳清 (ホエー) と呼ばれるものです。水溶性蛋白質、ミネラル、ビタミンなどの栄養分を豊富に含む成分です。

乳清は、ヨーグルトでなくても、牛乳をボトルに入れ、小一時間振り続けても作ることが出来ます。この際分離した上澄みが 「乳精」、沈殿物が 「生クリーム」 や 「バター」 です。

従って、ヨーグルト飲料も同様に、振り続けると若干分離する筈です。でも、完全に分離し切らないのは、安定剤や乳化剤が使用されているためです。ヨーグルトは本来、分離するものなのです。むしろ、分離しないことの方が問題と言えます。

以上の説明で宜しいでしょうか。

より詳しいことは、下記のサイトをご参照ください。

日本ミルクコミュニティ株式会社のホームページに以下のQ&Aのコーナーがあります。そのなかの 「Q2」 と 「Q3」 がこの疑問に明解な回答を与えています。

「Q2. ヨーグルトの表面の水はどうして出てくるのですか?」
「Q3. ヨーグルトの表面に水が出ているが食べても大丈夫ですか?」

http://www.megmilk.com/customer/faq3.html

お問い合わせ、ありがとうございました。


『ペットボトルキャップ時評』
OJ拝^^

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/192015/42641499

この記事へのトラックバック一覧です: 『チチヤス ヨーグルトテイスト』 の 「チー坊」 キャラクターキャップ:

» [ペットボトルキャップ][デザイン][食べ物]チチヤスのキャップは稀に見る可愛さ [【ENJOY TOY AND DeSign】]
前々から聞き及んでいて、先週の出張時に都内のコンビニによるたびに探してはいたんだけど、結局三日いて見つかったのは帰りの新幹線に乗る際に弁当を買うとき。 実は後ろから見た姿もデザインされたキャップがあるらしい。 レアですね。 DyDoの聘珍茶寮も少し変わった気が... [続きを読む]

« ナショナルクラウンの倒産 | トップページ | ニューボトルの 『C1000 レモンウォーター』 のキャップにレジスターマーク登場 »

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
無料ブログはココログ