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2008/10/12

『Welch's』 製品の汎用キャップの使用基準

前回、2008年10月10日付けブログ 「深紅の 『Welch's』 汎用キャップの差異」 にて、「カルピス社ではこれまで、500mL以下の小型PETボトルの 『Welch's』 製品の場合、白地に紺色の 『カラダにピース』 汎用キャップを用いて来た」 と記述してしまったが、事実誤認であった。同社のプレスリリースを過去に遡って丹念に調べてみたところ、実に単純な法則が存在することが判明した。概ね以下の通りである。

● 法則1. 『Welch's』 製品のうち果汁100%の 「果実ジュース」 及び 「果実ミックスジュース」 に対しては、『Welch's 』 のブランドロゴの入った深紅の汎用キャップが使用されている

● 法則2. 『Welch's』 製品であっても、果汁10%~100%未満の 「果汁入り飲料」 に対しては、『カラダにピース』 のカルピス社の白地汎用キャップが使用されている

すなわち、ジュースか否かにより使い分けられていたことになる。

一般には、缶やPETボトルに入ったものや、瓶詰め飲料のことを 「喉渇いたから、何かジュース買って来て」 と言うように曖昧に使用する場合がある。ところが、ジュースについては法律上、厳格な定義がなされている。ネット上で調べてみるとその根拠が、 「『農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律』 (通称 『JAS法』) による」 とだけ書かれたものが多い。そして、「果汁100%のもの以外は 『ジュース』 という名称で販売できない」 旨が記載されていることがほとんどである。ところが、JAS法自体にこの記述は見当たらない。実際には、JAS法はその大枠を定めているだけなので、具体的な条文は 「果実飲料等の表示に関する公正競争規約」 及び 「果実飲料等の表示に関する公正競争規約施行規則」 [注2]、もしくはJAS規格の 「果実飲料の日本農林規格」 [注3] を参照する必要がある。その中で、パッケージに 「果実の切り口」 を表示出来るのは、果汁100%のものだけ、というようなことが細かく規定されている。

さて、カルピス社がこれまで発売して来た 『Welch's』 製品について、PETボトル入り限定で一覧表にまとめてみた (従って、120g口栓付きパウチなどの製品は含まれない)。大まかに分類すると、(a) 果汁100% (「果実ジュース」 及び 「果実ミックスジュース」) の350mLペットボトルと800gペットボトルの2つのシリーズと (b) 果汁20%~40%までの500mLペットボトル入り季節商品とに分かれる。価格はそれぞれメーカー希望小売価格・税込みで、350mL = 186円、800g = 399円、500mL = 158円である。当然、キャップの色は、上記基準に基づき、(a) = 深紅キャップ、(b) = 白色キャップとなる (なお、2007年5月以前は、「CALPIS co.」 のみの白地汎用キャップである)。


表. 『Welch's』 製品一覧表 (シリーズ別、販売日遡及順)

▼ (a1) 「Welch's」 HEALTHY SQUEEZE グレープフルーツ100シリーズ <350mLペットボトル> (深紅キャップ)
  ◎ 「Welch's」 HEALTHY SQUEEZE グレープフルーツ100
     発売日: 2008/09/29 (月) | #329
  ◎ 「Welch's」 HEALTHY SQUEEZE グレープ100
     発売日: 2008/03/24 (月) | #281

▼ (a2) 「Welch's」 100 (800g) シリーズ <800gペットボトル> (深紅キャップ)
  ◎ 「Welch's」 オレンジ100
     発売日: 2007/09/03 (月) | #232
  ◆ 「Welch's」 オレンジ&ピーチ100
     発売日: 2007/03/19 (月) | #190
  ◆ 「Welch's」タンジェリンブレンド100
     発売日: 2006/12/04 (月) | #167
  ◎ 「Welch's」 グレープ100
     発売日: 2006/03/27 (月) | #110
  ◎ 「Welch's」 ピンクグレープフルーツ100
     発売日: 2006/03/27 (月) | #110
  ◎ 「Welch's」 アップル100
     発売日: 2006/03/27 (月) | #110

▼ (b) 500mLペットボトル (白地キャップ)
  ◆ 「Welch's」 ホワイトグレープロワイヤル [果汁: 30%]
     発売日: 2007/08/06 (月) | #229
  ◆ 「Welch's」 ダークスイートチェリーブレンド [果汁: 23%]
     発売日: 2007/05/14 (月) | #209     
  ◆ 「Welch's」 ホワイト&レッドグレープフルーツ [果汁: 30%]
     発売日: 2007/02/13 (火) | #181     
  ◆ 「Welch's」 フルーツフェスティバル [果汁: 40%]
     発売日: 2006/12/11 (月) | #170     
  ◆ 「Welch's」 グレープ&ベリー [果汁: 20%]
     発売日: 2006/10/30 (月) | #156     
  ◆ 「Welch's」 ゴールデングレープ [果汁: 40%]
     発売日: 2006/08/07 (月) | #137     
  ◆ 「Welch's」 サマーマンゴーブレンド [果汁: 20%]
     発売日: 2006/05/15 (月) | #118     
  ◆ 「Welch's」 カシス&オレンジ [果汁: 40%]
     発売日: 2006/02/13 (月) | #091     

注: ◎=2008年10月現在発売中、◆=現在終売、#=プレスリリース番号


この表を見ると、500mL入り製品は、旬のフルーツをその都度セレクトし、ブレンドした 「季節限定商品」 であることが分かる。また、その発売頻度は、2006年が2~4カ月置きの年5回、2007年が4カ月置きの年3回であるが、2008年には製品投入そのものが皆無となっている。代わりに、果汁100%の350mL入り製品に切り替えられたことが分かる。なお、800gボトルは定番商品としての位置づけがなされており、6製品中4製品 (2006年3月27日同時発売の 『グレープ100』 『ピンクグレープフルーツ100』 『アップル100』 の3製品に、2007年9月3日発売の 『オレンジ100』 の1製品を加えたラインナップ) が現在も販売されている。

なお、前回のブログの内容に関する補足であるが、使用キャップの製造メーカーとカルピス社の製造工場との間に明確な相関があるわけではない。従って、「岡山工場 (BC)」 と 「群馬工場 (KC)」 のいかんを問わず、「TENキャップ」 も 「PS-Lok」 も使用される可能性がある。

ところで、Welch's社の本家米国のサイト [注4] を見ると、『Welch's』 のブランドロゴが変更されていることに気付く。現在、日本のカルピス社が使用しているブランドロゴには 「W」 「l」 「h」 のフォントの全ての終端部に 「セリフ」 と呼ばれる横棒の装飾エレメントが付いている。ところが、米国のサイトに表示されているブランドロゴには、「乳癌撲滅キャンペーン」 のピンクリボンが添えられていることも含め、「W」 「l」 「h」 の各フォントの終端部がすべて 「ケルン」 または 「テール」 (尻尾のようにクルっとはね上がっている) と呼ばれる装飾エレメントに変更されている。詳しく調べてみると、米国Welch Food Inc.社は、2007年6月に、それまで12年間使用されて来たお馴染みの 「Welch's SINCE 1869」 のバナーを市場調査の結果を踏まえて、デザイン変更を施したらしい [注5-6]。

日本では、米国Welch Food Inc.社との販売契約上、直ぐには新しいブランドロゴに変更出来ない事情があるのだろうが、ある日突然、キャップのロゴが変わる日がやって来ないとも限らない。その日に備えて、新規ロゴには 「ケルン」 や 「テール」 の他にも、決定的な違いがあることを覚えておくと便利である。これまでのバナーには、 「SINCE 1869」 の両脇にロングダッシュと呼ばれる横棒 「-」 が付いていたが、新規のロゴにはそれがない [注6]。かなりスッキリした印象になている。でも、本当にそんな日は来るのだろうか。万一、担当者間の連絡の行き違いであるならば、至急知らせてあげて欲しいものである。

注1) カルピス株式会社 「プレスリリース
注2) 社団法人全国構成取引協議会連合会『果実飲料等の表示に関する公正競争規約 (昭和46年3月5日、公取引委員会告示第11号)』 及び 『果実飲料等の表示に関する公正競争規約施行規則 (昭和46年9月1日、公取景第901号)』
注3) 農林水産省果実飲料の日本農林規格 (平成18年8月8日改正、農水告第1127号)
注4) 「Welch Foods Inc.」 (英文サイト)
注5) 「Welch's rolls out new look and label design [ウェルチ社、新規ラベルデザインを発表]」 Welch's in the News (June 1, 1997).
注6) U.S. Trademark 78,813,579 「WELCH'S SINCE 1869」 (January 2, 2007).

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コメント

ということは、「セリフ」バージョンは貴重品になる可能性が高いですね。

もう少し入手しておくべきかもしれませんネ。

TQY様

いつも、コメント頂きありがとうございます。

『Welch's』 のキャップのロゴ、日本ではしばらくの間、現行の 「セリフ」 バージョンのまま推移する気がします。

かなり僭越な言い方になるかも知れませんが、欧米とは異なり、ブランドロゴやフォントに対する感受性が、メーカーも、消費者も、さほど高くないことから、その辺がおざなりにされている気がしてなりません。

例えば、現在サントリーフーズ社が販売しているPETボトル製品の 『Lipton』 ロゴの汎用キャップには、新旧2種類のフォントが混在します。使用基準すら曖昧なまま、どちらも使用され続けています。シュリンクラベルの方では既に、新規フォントバージョンのロゴに統一されているにもかかわらずです。理由としては、キャップの素材や、キャップ製造メーカーの印刷処理能力による制約があるためと考えていますが、はっきりしたことは分かりません。

ご承知の通り、ペットボトルキャップの素材には大きく分けて、ポリプロピレン (PP) と高密度ポリエチレン (HDPE) の2種類が使用されています。前者は 「ノーマルギザ」 、後者は 「粗ギザ」 です。特に、「粗ギザ」 はアセプチック充填用のため、キャップや容器を薬品で殺菌し、その後完全にリンス (洗浄) する必要があるため、撥水処理が施されています。そのため、インキがノリ難く、細かい文字や図案などの再現には不向きという特性があります。従って、描線の 「太り」 が生じやすいと言えます。以前、TQYさんのブログでも指摘されていたように、今後はデザイナーもこうしたキャップの特性を熟知する必要があるのかも知れませんね。

OJ拝^^

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