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2009/02/08

『ヘルシア』 のキャップに 「←あける」 バージョン出現

花王の 『ヘルシア』 [注1] のキャップに、最近、開栓方向を示す矢印が追加された。2009年2月7日 (土)、コンビニエンスストア 「99イチバ (サークルKサンクスグループ)」 にて確認、1本税込み188円)。市場投入時期は不明であるが、製造時期は2009年1月6日頃である。従って、今年になってから 「矢印バージョンキャップ」 付き製品の製造が開始されたものと考えられる。

昨年2008年の4月頃、ブランドロゴが、小文字の 「healthya」 から、頭字のみ大文字で始まる 「Healthya」 に変更された時は、迂闊にも気付かなかったが、今回は直ぐに判った。なぜなら、従来品と並んで販売されていたからである。因みに、都内を中心に展開するドラックストアの 「龍生堂薬局」 の新大久保店では、矢印バージョンの 『ヘルシアウォーター (グレープフルーツ味)』 も販売されていたことから、この春より、順次矢印キャップに切り替わって行くものと思われる。

図柄は、従来の白色キャップ地に緑色で中央に 「Healthya」 の製品ブランドロゴに、今回新たに追加されたキャップ上端の 「←あける」 である。

私は正直なところ、『ヘルシア』 のパッケージデザインは、全体的に説明文過剰で、垢抜けないと感じている。それは、「厚生労働省許可特定保健用食品」 (いわゆる 「特保」) としての 「ヘルシア」 の商品イメージ戦略なのだろうが、堅苦し過ぎて、もはや食品の域を超えている。単に、カテキンが通常の緑茶飲料に較べて、3~4倍含まれるというだけのことなのだから、もっと気軽に飲めるような広告宣伝にすべきである。

逆に、従来のキャップはブランドロゴのみで、余りにスッキリし過ぎており、カオスなパッケージデザインとのバランスを欠いていた。今回追加された 「←あける」 が意外にもキャップにひとつの景色を与え、デザイン的に引き締まった感じがする。通常、デザイナーにとって、キャップに矢印を追加する場合、機能性とデザイン性の二律背反的葛藤が生じるものである。折角、スタイリッシュにデザインを決めたのに、無粋な矢印を追加することになるからである (あっ、これは勝手な憶測ですから)。

それにもかかわらず、今回のキャップでは、「←あける」 をユニバーサルデザインのアイコンのように処理することで、見事にこの問題をクリアしている。そのために実に多くの工夫が凝らされている。先ず、矢印を片側墨付き矢印にしているのは他社の先例に倣ったものであるが、この描線をキャップの内側のインナーシールに重なるような同心円として配置していること。次に、矢印と 「あける」 の間、及び 「あける」 の文字間隔を詰め組みにしていること。最後に、「あける」 という文字列に平体変形をかけていること。これらの工夫で、「←あける」 が全体として横方向の一体感のある記号として認知可能となっている。

ただ、それ以上に重要なことがある。「Healthya」 というブランドロゴは、視覚的に言えば、可読性よりもデザイン性に重きを置いた設計になっている。それは、フォントを構成するエレメントに縦方向の直線が多用され、斜線や曲線の要素が極力排除され、同時にミーンラインとベースラインの間の割合がアセンダ (「H」、「lth」 の上の出っ張り部分) やディセンダ (「y」 の下の出っ張り部分) に較べ広く取られていることに起因する。このことは、文字数の多いロゴを一定の幅に収められると言う利点がある反面、縦棒の多さが視覚的煩雑さを与えてしまうという難点もある。今回導入された 「←あける」 は、ブランドロゴと一体となって、視覚的安定感を生んでいる。デザイン次第では、矢印も悪くない。好感の持てる仕上がりである。

ただし、「キャップに矢印なんかいらない」 という従来からの主張に変わりはない。人は、キャップの開栓方向など特段指示されなくとも、経験則として回す方向ぐらい見当が付くものである。一見、人にやさしいデザインというレトリックの中に、人間の潜在的能力への過小評価や侮りが潜んではいないか、批判的に捉え返してみることも必要ではないだろうか。「人にやさしい」 は、本当にやさしいことなのかと。それが人間の営為というものである。

■ 商品表示データ ■
『ヘルシア緑茶』 (4角耐熱PETボトル350mL)
<品名> 緑茶 (清涼飲料水)
<原材料名> 緑茶 (国産)、茶抽出物 (茶カテキン)、環状オリゴ糖、ビタミンC、香料
<成分分析表> (1本 (350mL) あたり) ●熱量:14kcal ●たんぱく質:0g ●脂質:0g ●炭水化物:3.9g ●ナトリウム:35mg | <関与成分> ●茶カテキン:540mg
<販売者> 花王株式会社 (東京都中央区日本橋茅場町1-14-10)
<JAN> 4-901301-154019

■ 参照キャップデータ ■
『ヘルシア緑茶』 (4角耐熱PETボトル350mL) の賞味期限+製造所固有記号:「090705/KIL」。賞味期間は6カ月 (未開栓)。キャップは、NCC社製 「28NCフラップホット」 ワンピースキャップ [ノーマルタイプ] (洗浄スリット6個所) (ロット番号:H42-31)。ボトルは、東洋製罐社製 (ロット番号:A/17)。プリフォーム [白] (ロット番号:10-38)

注1) 花王ヘルシア」 (ブランドサイト)

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