« 『Coca-Cola (R)』 赤キャップにも新機軸キャンペーンキャップ出現 | トップページ | キリン 『生茶』、キャップのイラストを単純化 »

2009/03/02

「カド丸」 キャップ、第2世代へ

今回はニューキャップの話題ではない。また、新たなナール形状の話でもない。スーパーやコンビニで100円以下で販売されている廉価版茶系飲料 (特に、麦茶) についてである。それも、カドに丸みを帯びた大和ノーベンバル社製の白蓋である。マニアックかつ退屈な内容なので、興味のない人はここから先は読まないで頂きたい。逆に、「カド丸」 キャップ業界の方には是非とも詳細なコメントをお願いしたい。

約2年前の2007年5月15日付けブログ 「大和ノーベンバル社製の角丸キャップ」 において既に言及した通りであるが、同社の 「カド丸」 キャップには、第1世代と第2世代が存在する [注1-2]。ただし、開封した後のキャップ本体を見ただけでは、その違いを識別することは困難である。なぜなら、外観上の最大かつ唯一の違いはブリッジ部の形状にあるからである。因みに、ブリッジ部の構造は射出成形時のTEバンドの金型の違いに依る。

第1世代のものは、キャップ本体とTEバンドの間のブリッジ構造をモールドで一体化して造り込む 「リーセスドTEバンド」 と呼ばれるものである。従って、キャップ本体とTEバンドの間に隙間が存在する。実際の製品ではTEバンドの上に高さ0.7mmの隙間が目視可能である。しかしながら、第2世代以降のものにはこの隙間がない。他社のキャップと同様に、ブリッジ部が内側から24個所にスリットが切られることで造られる。「ストレートTEバンド」 と呼ばれるものである。従って、開封前の次世代キャップのブリッジ部は外見上、境界部を細い線が一周しているようにしか見えない。また視覚的には、キャップのスカート部とTEバンド部が完全に一体化したため、急に背丈が伸びた少年のようである。

最近、都内コンビニの陳列棚から第1世代の 「カド丸」 キャップが姿を消しつつある。それと入れ替わりに、次世代の 「ストレートTEバンド」 が台頭し始めている。「カド丸」 キャップは、まさに今、歴史的転換期にあると言える (ちょっと大袈裟か)。

実際には、セブン&アイホールディングス傘下の 「イトーヨーカドー」 「ヨークマート」 等で販売されている (b) 『セブンプレミアム 麦茶』 (500mL入り1本88円) [注3] と同じく 7&i ホールディングス傘下の 「セブンイレブン」 で販売されている (c) 『7&i 麦茶』 (500mL入り1本98円)[注4]、更には、「ファミリーマート」 で販売されている (d) 『FM 麦茶』 (500mL入り1本100円) が、既に第2世代キャップに移行している。

正確な切り換え時期は不明であるが、賞味期限を見ると、同じ 『セブンプレミアム 麦茶』 製品でも、第一世代のキャップである (a) が 「090905/JSO」、第2世代キャップの (b) が 「091025/JSO」 である。また、同一ファブリック (依託製造工場) で製造されている (c) 『7&i 麦茶』 が 「091023/JSO」 である。ことから、第2世代キャップの製造時期は2009年1月27日~1月29日頃であることが分かる。これらの製造時期が1月末であることを勘案すると、市場投入時期は2月上旬~中旬頃ではなかったかと推察される。

恐らく、今回の出来事は、こうして備忘録として書き留めておかなければ、将来思い出すこともないだろう。そこで幾つか自問自答してみた。初めてPETボトル飲料を飲んだのはいつか、初めてプルリング式の缶コーヒーを飲んだのはいつか、また、初めてスクリューキャップ式のコカ・コーラを飲んだのはいつか、と。今となっては全く思い出せない。記録は大切である。

次世代キャップへの移行により、「タンパーエビデンス性」 に関しては、他社と同等の規格となった。また、カドに丸みのあるキャップという特徴も、商品によっては重要な訴求要素となり得る。残る課題は、天面部中心に残る 「バリ」 のみであるが、これも改良が進み、特に気になるレベルでは無くなっている。大和ノーベンバル社及び大和製罐が満を持して市場に一斉投入して来た第2世代 「カド丸」 キャップの今後の展開に期待したい。

何だか、新幹線0系の引退を惜しむ鉄道マニアの心境である。とりあえずお疲れさま (でも、どっこい今後も、「第一世代」 登板し続けたら、どうしよう)。

■ 商品表示データ ■
(a、b) 『セブンプレミアム 麦茶』 (500mL四角型PETボトル)
<名称> 麦茶 (清涼飲料水)
<原材料名> 六条大麦
<栄養成分>(100mL当たり) ●エネルギー:0kcal ●たんぱく質:0g ●脂質:0g ●炭水化物:0g ●ナトリウム:6mg
<販売者> 株式会社ジャスティス (東京都品川区五反田2-25-1)
<JAN> 4-582151-173575

(c) 『7&i 麦茶』 (500mL四角型PETボトル)
<名称> 麦茶 (清涼飲料水)
<原材料名> 六条大麦
<栄養成分>(100mL当たり) ●エネルギー:0kcal ●たんぱく質:0g ●脂質:0g ●炭水化物:0g ●ナトリウム:6mg
<販売者> 株式会社ジャスティス (東京都品川区五反田2-25-1)
<JAN> 4-582151-175272

(d) 『FamilyMart 烏龍茶』 (500mL四角型PETボトル)
<名称> 烏龍茶飲料
<原材料名> 烏龍茶、ビタミンC
<栄養成分>(100mL中) ●エネルギー:0kcal ●たんぱく質:0g ●脂質:0g ●炭水化物:0g ●ナトリウム:9mg
<販売者> 株式会社ファミリーマート (東京都豊島区東池袋3-1-1)
<JAN> 4-968442-501973

■ 参照キャップデータ ■
(a) 『セブンプレミアム 麦茶』 (500mL四角型PETボトル) の賞味期限+製造所固有記号: 「090905/JSO」。賞味期限9カ月 (未開栓)。キャップは大和ノーベンバル社*製 (ロット番号:434)。ボトルは大和製罐社製 (ロット番号:B/19/2R)。プリフォーム [透明/PCO] (ロット番号:B2-19)。製品ロット番号:18:45

(b) 『セブンプレミアム 麦茶』 (500mL四角型PETボトル) の賞味期限+製造所固有記号: 「090905/JSO」。賞味期限9カ月 (未開栓)。キャップは大和ノーベンバル社*製 (ロット番号:404)。ボトルは大和製罐社製 (ロット番号:CR/13)。プリフォーム [透明/PCO] (ロット番号:CAA52)。製品ロット番号: 12:45

(c) 『7&i 麦茶』 (500mL四角型PETボトル) の賞味期限+製造所固有記号: 「091023/JSO」。賞味期限9カ月 (未開栓)。キャップは大和ノーベンバル社*製 (ロット番号:440)。ボトルは大和製罐社製 (ロット番号:CR/9)。プリフォーム [透明/PCO] (ロット番号:CAA77)。製品ロット番号: 01:50

(d) 『FamilyMart 麦茶』 (500mL四角型PETボトル) の賞味期限+製造所固有記号: 「091103/FS12」。賞味期限9カ月 (未開栓)。キャップは大和ノーベンバル社*製 (ロット番号:422)。ボトルは大和製罐社製 (ロット番号:CL/9)。プリフォーム [透明/PCO] (ロット番号:CAA24)。製品ロット番号: 0205434630

* 大和ノーベンバル株式会社 (大阪府茨木市南耳原1-2-1)

注1) 「大和ノーベンバル社製の角丸キャップ」 ペットボトルキャップ時評 (2007/05/15)
注2) NovembalA Japanese Joint Venture」 (Novembal社ホームページ)
注3) イトーヨーカドーセブンプレミアム 麦茶 500mL』 (商品サイト)
注4) セブンイレブン7&i 麦茶 500mL』 (商品サイト)

« 『Coca-Cola (R)』 赤キャップにも新機軸キャンペーンキャップ出現 | トップページ | キリン 『生茶』、キャップのイラストを単純化 »

コメント

三年ほど前、大和ノーベンバル角丸のモールディングブリッジタイプと後工程スリットタイプが存在してましたが、それらはハイトが同じでした。
今回のモノはハイトもことなるのですか? そう見えるだけ?

タイザワ様 はじめまして

この度は、貴重なコメントを頂きまして誠にありがとうございます。技術的な話題に関してレスポンスを頂けるのは、コレクター冥利に尽きます。大変光栄です。

ご承知のように、大和ノーベンバル社は、大和製罐 (株) とNovembal社の合弁会社であり、キャップ製造技術に関しては、完全にNovembal社 (及びその親会社であるTetrapack社) の影響下にあります。また、同社の製品は、一律に白色であることも含めて、日本の実情に配慮して改良された独自のスペックのものです。そのためか、日本語での情報が極めて少ないのが現状です。

今回のブログも、実際にコンビニの陳列ケースに並ぶ製品 (消費者サイドからは商品) を眺めて、過去の数少ない情報を手繰り寄せながら、書いたものに過ぎません。

ただ、見た目では、モールディングブリッジタイプ (第一世代) と後工程スリットタイプ (第二世代) のハイトは、全く同じです。本体部分もTEバンドも、かつキャップ全体もです。恐らく、タイザワ様の言われている3年前のモノと同じモノと思われます。

今回のブログの 「第二世代へ」 の主旨は、既に3年前に登場しているにも拘わらず、サントリーフーズ社の 『伊右衛門』 にしか使用された記憶のないストレートTEバンドのキャップが、最近一斉に他社製品に使用範囲が拡大され始めたことへの疑問から発したものです。恐らく、見た目を気にしたコンビニ主導によるスペック変更と考えられますが。ただし、このことの意義はかなり大きいのではないかと考えています。NCC社、ACS社、NYG社のアセプティック充填用キャップのシェアに、多少なりとも切り込むことが可能となったからです。それ程までに、あの 「隙間」 は、ネックだったのではないかと思っております。

従って、ここで言う 「第二世代」 とは、現在、国際飲料技術者協会 (ISBT) PCO-1881小委員会で策定作業が進めている新規ローハイトキャップであるPCO-1881のことではなく、現行のPCO 1810規格 (いわゆる28 PCO規格)の範囲内でのことです。紛らわしいブログタイトルで混乱させてしまい、誠に申し訳ございません。

今後とも、ご専門のお立場から、宜しくご教示のほどお願い申し上げます。

OJ拝

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/192015/44224191

この記事へのトラックバック一覧です: 「カド丸」 キャップ、第2世代へ:

« 『Coca-Cola (R)』 赤キャップにも新機軸キャンペーンキャップ出現 | トップページ | キリン 『生茶』、キャップのイラストを単純化 »

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
無料ブログはココログ