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2009/03/22

アサヒ飲料 『ドデカミンスーパー』、キャップのバリエーションについて

今回のテーマは、汎用キャップにおけるバリアント (亜種) の存在についてである。ペットボトルキャップコレクターとして著名なKUMA氏の運営するコレクターズサイト 『KUMAの日記風ボトルキャップ通信』 のコメント欄に寄せられていたまさお氏からの質問 [注1] に端を発している。

質問要旨は以下の通りである。「手持ちのキャップに、白地に青のAsahiロゴの汎用キャップが2種類あるが、フォントサイズ違いと思われる。これは既知のキャップかどうか判断して貰いたい」 というものであった。また、補足説明として 「ロゴと 『あける→』 表記共に滲みが見られるが、印刷滲みとフォントサイズに相関はあるのか」 と言うものであった。

まさお氏のコレクションサイト 『ペットボトルキャップコレクション <暫定公開中>』 の中の 「アサヒ飲料編」 の画像を検討したところ、確かに、左側の (A) 『LL vitamin C』 (280mL) の方が、右側の (B) 『ドデカミンスーパー』 (500mL) のものより、ロゴのサイズが大きい。また、「あける→」 の位置も微妙に異なっていた。非常に鋭い観察力である。

通常、既に手中に納めてしまった汎用キャップの場合、陳列棚を走査する場合でも、ある種のマスクフィルターが掛けられ、目視での走査対象から除外されてしまうものである。従って、フォントサイズの違いは本当に気付き難い。なお、これらのバリアント (亜種) キャップの存在については、以前より一部コレクターの間では時折論じられていたテーマであり、コレクションに含めるか否かで、常に見解の分かれるところである。

なお、アサヒ飲料の汎用キャップについては、寡聞にして具体的な検証例を知らないので、今回も検証のため、キャップの捜索に強風吹きすさぶ街に飛び出した。

捜索の結果、『ドデカミンスーパー』 2種類 と『LL vitamin C』 1種類をどうにか入手出来た。また、『ドデカミンスーパー』 については、以前に購入したストックの中に、別種の1種類を見付け、合計3種類のキャップバリエーションが確認された。

検証の結果、(A) の 『LL vitamin C』 の方は、ライナー材裏側の 「CCB」 という刻印により、アルコア社製キャップであり、(B) の 『ドデカミンスーパー』 の方も刻印のロット番号の形式から、日本クラウンコルク社製キャップであることが判明した。

キャップは製造メーカー毎に、その印刷方法が異なり、印刷精度に違いが生じる。アルコア社の場合、恐らくパッド (タンポ) 印刷が使用されているため、フォントや図柄のエッジ部分にインキが若干はみ出してしまい、「滲み」 などの現象を起こしやすい。また、日本クラウンコルク社の場合は、印刷方向に対してフォントやロゴを含む図柄のエッジ部にインキ溜まりとかすれ、エッジ部後部に刷毛目が発生していることから、オフセット印刷が用いられていると思われる。そうでなければ、印刷速度が速すぎるかの何れかである。

従って、(A) のアルコア社での印刷方法の場合、印刷部分が 「太り」 やすくなる。実際の図柄に対するインキのはみ出し部分の存在は、時としてフォントのプロポーションに影響を与えることがある。版下は細明朝体で作成したのに、刷り上がりは、インキの滲みのため、中明朝体に見えるようなものである。そこで、視覚的に 「太り」 の効果を軽減するため、版下段階で相対的にフォントや図柄のサイズを大きくしておく工夫が考案されたと推察する。「(R) 大」 も同様の理由である。

さて、実際にロゴサイズを計測したところ、(A) が幅21mm、(B) が幅19mmと約2mmもの差があることが判明した。十分にバリアント (亜種) として考慮されるレベルである。ただし、このキャップはアルコア社製であることを勘案すると、かなり以前より存在していた可能性がある。今回の検証でも以前に購入したストックの中に (a2) 『ドデカミンスーパー』 が存在する。賞味期限 「081222/B」 と製造ロット番号 「L0626C02」 から、製造日は2008年6月26日と特定出来る。従って、単純に見過ごしていた訳である。迂闊であった。

今回検証対象とした製品のうち、『ドデカミンスーパー』 であるが、2004年4月14日に 『ドデカミン』 シリーズとして登場して以来、今年の4月で6年目を迎える。発売以降、様々なネーミングのシリーズ製品 [表1] が登場し続けている中、唯一2007年4月1日に発売された 『ドデカミンスーパー』 [注2-3] だけは、なぜか定番商品化している。


表1. 『ドデカミン』 リニューアルの歴史 (遡及)

2008年12月09日 『ドデカミン Black 2.0』 [注4]
2008年07月29日 『ドデカミンGUTS!』
2008年04月01日 『燃えよ! ドデカミン』
2007年12月11日 『ドデカミンブラック』
2007年04月10日 『ドデカミンスーパー』 [注2-3]
2006年04月05日 『ドデカミンゴールド』
2005年03月16日 『ドデカミンV』
2004年04月14日 『ドデカミン』


いわば、『ドデカミンスーパー』 は日清カップヌードルにおける 『シーフードヌードル』、『カレーヌードル』、『チリトマトヌードル』 のような <虎の穴> 出身の猛者なのである。日清カップヌードルは、シーズン毎に新コンセプトの商品を市場投入し、厳しい市場の評価の中で生き残った商品だけを定番商品としている (アレレ、千尋の谷に我が仔を突落としたライオンのたとえ話にすり替わってしまった。チッ、失敗である)。

『ドデカミンスーパー』 は、主に大型スーパーの飲料コーナーや、「99イチバ」、「ローソンショップ100」 などの廉価販売店にてロングセラーを続けている。恐らく 「『7種類のアミノ酸と5種類のビタミン』 + 『ローヤルゼリー』 でファイトバクハツ!! しかもカラダにうれしいカロリーオフです!」 [注2] と言う、がぶ飲み系栄養ドリンクの商品コンセプトが支持されたものと思われる。パッケージも栄養ドリンク瓶のダイヤモンドカットをそのままイメージしたものであり、アオリ文句にはご丁寧にも栄養ドリンクの元祖 『リポD』 へのオマージュとしての 「ファイトバクハツ!!」 である。もはや、冗談商品である。

さて、これだけの定番商品だと、製造工場 (依託製造工場を含む) も多岐にわたり、キャップなどの部材調達もリスクヘッジを兼ねて、製造メーカーの分散が図られている。今回の調査過程で入手検証した 『ドデカミンスーパー』 と 『LL vitamin C』 のキャップの製造メーカーを一覧にしてみた。


表2. 白地青文字 「Asahi」 汎用ロゴキャップ製造メーカー一覧

▼ 日本クラウンコルク (NCC)
  使用製品: (a1) 『ドデカミンスーパー』
  製造所固有記号: T
  キャップ種類: Fin-Lok
  ロゴ幅: 19mm
  ロゴ 「h」 下端と矢羽根までの間隔: 7mm
  印刷精度: 図柄エッジ後部にインキ溜まり+刷毛目

▼ アルコア・クロージャー・システム (ACS)
  使用製品: (a2) 『ドデカミンスーパー』
  製造所固有記号: T
  使用製品: (b) 『LL vitamin C』
  製造所固有記号: KF2
  キャップ種類: Wing-Lok
  ロゴ幅: 21mm
  ロゴ 「h」 下端と矢羽根までの間隔: 7mm
  印刷精度: 太り

▼ 日本山村硝子 (NYG)
  使用製品: (a3) 『ドデカミンスーパー』
  製造所固有記号: SKK
  キャップ種類: TEN-Cap
  ロゴ幅: 19mm
  ロゴ 「h」 下端と矢羽根までの間隔: 8mm
  印刷精度: 鮮明


印刷精度及び鮮明さについては、NYG > NCC > ACSの順であった。ただし、鮮明さの優劣と製品としての訴求効果の優劣には何ら相関性は存在しない。むしろ、「滲み」 のある方が、「1/f揺らぎ効果」 を与え、心地良いと感じる場合も考えられる。強いて言えば、昔の活版印刷の持つ身体感覚に似ている。組み版で、敢えて味岡伸太郎かなファミリー (「築地」、「小町」、「良寛」、「行成」、「弘道軒」 の5書体) [注5] を代表とする 「オールドがな」 系のかな文字と既存フォントを組合せる意図もこの辺にある。

キャップデザインにとって、印刷精度だけが全てではない (アレレ、いつの間にかテーマがすり替わってしまった。チッ、またしても失敗である)。

■ 商品表示データ ■
(a1) 『ドデカミンスーパー』 (ペタロイド脚500mL砲弾型耐熱圧PETボトル)
<名称> 炭酸飲料
<原材料名> 果糖ぶどう糖液糖、調整ローヤルゼリー、香料、クエン酸、アミノ酸 (アスパラギン酸Na、リジン、アルギニン、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン)、V.C、甘味料 (アセスルファムK、スクラロース)、カフェイン、ナイアシン、V.E、カロテノイド色素、V.B6、V.D
<栄養成分> (100mL当り) ●エネルギー:18kcal ●たんぱく質:0g ●脂質:0g ●炭水化物:4.6g ●ナトリウム:0mg ●ビタミンC:24mg  ●ビタミンE:1.0mg ●ビタミンB6:0.15mg ●ビタミンD:0.25μg ●ナイアシン:1.50mg | ●アルギニン:12mg ●アスパラギン酸:12mg ●リジン:11mg ●グリシン:2mg ●バリン:1mg ●ロイシン:1mg ●イソロイシン:1mg
<製造者> アサヒ飲料株式会社 (東京都墨田区吾妻橋4-23-1)
<JAN> 4-514603-134513

(a2) 『ドデカミンスーパー』 (ペタロイド脚500mL砲弾型耐熱圧PETボトル)
[共通項目 (略)]
<販売者> アサヒ飲料株式会社 (東京都墨田区吾妻橋4-23-1)

(a3) 『ドデカミンスーパー』 (ペタロイド脚500mL砲弾型耐熱圧PETボトル)
[共通項目 (略)]
<販売者> アサヒ飲料株式会社 (東京都墨田区吾妻橋4-23-1)

(b) 『LL vitamin C』 (280mL耐圧PETポトル*)
<名称> 炭酸飲料
<原材料名> 砂糖類 (果糖ぶどう糖液糖、砂糖)、レモン果汁、V.C、クエン酸、クエン酸Na、ベニバナ黄色素
<栄養成分> (100mL当り) ●エネルギー:47kcal ●たんぱく質:0g ●脂質:0g ●炭水化物:12g ●ナトリウム:78mg ●ビタミンC:360mg | ●クエン酸:500mg
<販売者> アサヒ飲料株式会社 (東京都墨田区吾妻橋4-23-1)
<JAN> 4-514603-129410

* 当製品は、ペタロイド脚ではなく、ボトル底部はクレーター状のものである。

■ 参照キャップデータ ■
(a1) 『ドデカミンスーパー』 (ペタロイド脚500mL砲弾型耐熱圧PETボトル) の賞味期限+製造所固有記号:「090714/T」。賞味期限は約6カ月 (未開栓)。キャップは、NCC社製 「Fin-Lok」 ライナー材使用の2ピースキャップ (洗浄スリット4カ所) (ロット番号:<本体>K4-53、<ライナー材>17)。ボトルは吉野工業所製 (ロット番号:A13/H7)。プリフォーム [白/PCO] (ロット番号:H4007)。製品ロット番号: L0116A32

(a2) 『ドデカミンスーパー』 (ペタロイド脚500mL砲弾型耐熱圧PETボトル) の賞味期限+製造所固有記号:「081222/B」。賞味期限は約6カ月 (未開栓)。キャップは、ACS社製 「Wing-Lok」 ライナー材使用の2ピースキャップ (リンスホールなし) (ロット番号:<本体>CCB-504、<ライナー材>522)。ボトルは自社成形 (ロット番号:B/30)。プリフォーム [透明/PCO] (ロット番号:4-88)。製品ロット番号: L0626C02

(a3) 『ドデカミンスーパー』 (ペタロイド脚500mL砲弾型耐熱圧PETボトル) の賞味期限+製造所固有記号:「090801/SKK」。賞味期限は約6カ月 (未開栓)。キャップは、日本山村硝子社製 「TEN-Cap」 中栓使用の2ピースキャップ (ベントホール4個所) (ロット番号:<本体>NY-P132、<中栓>P4-02)。吉野工業所製 (ロット番号:B12/36)。プリフォーム [透明/PCO] (ロット番号:8036)。製品ロット番号: L0203B21

(b) 『LL vitamin C』 (280mL耐圧PETポトル) の賞味期限+製造所固有記号:「090508/KF2」。賞味期限は約6カ月 (未開栓)。キャップは、ACS社製 「Wing-Lok」 ライナー材使用の2ピースキャップ (リンスホール4個所) (ロット番号:<本体>F4E-143、<ライナー材>247)。吉野工業所製 (ロット番号:11/56)。プリフォーム [白/PCO] (ロット番号:156)。製品ロット番号: L1110J33

注1) 「コカ・コーラのフォント違い」 KUMAの日記風ボトルキャップ通信 (2009/03/06)
注2) 「さらにファイトバクハツ! 『アサヒ ドデカミンスーパー PET500ml』 新発売 ~7種類のアミノ酸、5種類のビタミン、ローヤルゼリー配合~」 アサヒ飲料 ニュースリリース #635 (2007/03/27)
注3) 「ドデカミンスーパー」 (ブランドサイト)
注4) 「がんばる男の “やる気” アップに! 『アサヒ ドデカミンBLACK2.0 PET500mL』 新発売!! ~アミノ酸7種類+ガラナとマカに加え、新たにカフェインを配合!~」 アサヒ飲料 ニュースリリース #812 (2008/11/20)
注5) リョービイマジクス株式会社味岡伸太郎かな

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コメント

OJ様

こんばんは。

強風吹きすさぶ中の捜索、ありがとうございます(春が近づくにつれ、風の強い日が多くなりますね)。

こちらのブログでも、本件取り上げてみました。

気づいたきっかけは、印刷の滲みの有無でした。
それ以来、店頭でも気にはなるのですが、いかんせん場所柄詳細な比較ができず、もやもやする反面、「これ以上はまってはいけない」という心の声の様なものが聞こえてきます・・・。

まさお様 こんばんは

いつも示唆に富む貴重な情報をありがとうございます。

私は、大雑把な方なので、あまり細かいことは気に掛けないタイプですが、趣味に関してはいつの間にか深みに嵌っていました。なので、まさおさんの以下のご意見には全く同感です。

> 「これ以上はまってはいけない」 という心の声の様なものが聞こえてきます・・・。」

でもね、この泥濘は、いったん嵌るともう抜け出せないんです。もがけば、もがくほどに.... (ビエェ~ン! 怖いよ~!)

OJ拝^^

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