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2009/03/14

キリンビバレッジ 『潤る茶』、SKナール出現の意味

2009年3月12日付け 『KUMAの日記風ボトルキャップ通信』 の 「まだあるよ ニューキャップ」 [注1] によれば、ついに 『生茶』 『キリンレモン』 以外のキリン製品 『潤る茶』 にもSKナールが出現したという。早速、コンビニに走った。サンクス、ミニストップ各店店頭にて確認。500mL入り1本147円。

SKナールとは、キリンビールパッケージング研究所が2006年に実施した飲料キャップの開栓性改善に関する研究の成果として誕生したハイブリッド90線ナール構造を有するキャップである。開栓時における 「粗ギザ」 の 「滑り難さ」 と 「ノーマールギザ」 の 「手の痛くなさ」 の特徴を併せ持つ [注2]。2008年春期の 『生茶』 『キリンレモン』 のリニューアル発売に合わせ、日本クラウンコルク (NCC) 社との共同開発として市場投入された。「SKナール」 の呼称は、あくまで推測であるが、NCC社の環境負荷軽減型キャップ 「28NCフラップアセプ-S」 をベースに改良された 「KIRIN」 バージョンという意味と思われる。ただし、SKナールは、「アセプティック充填」 のみでなく、「ホット充填」 「炭酸充填」 の全ての製品に対応するように、3系統の進化系キャップが存在する [注2-3]。

なお、2009年2月10日の 『潤る茶』 リニューアル発売時点では、従来の 「粗ギザ」 キャップのままであった [注4]。通常、中途導入についての正式発表はないため、今回の 『潤る茶』 へのSKキャップの正確な市場投入日は不明であるが、製造時期はTEバンドに印字された賞味期限から逆算することである程度判断可能である。手許に同一工場 (K13=キリンビバレッジ湘南工場) で製造された2種類の形状キャップの製品がある。(a) 「SKナール」 製品には 「091118/13K.」、(b) 「粗ギザ」 製品には 「091110/13K」 の表示がある。従って、「SKナール」 使用製品は、2009年2月14日以降、2009年2月21日以前に製造されたことになる。いずれにしても、リニューアル発売より1カ月遅れの3月12日頃にSKキャップが市場投入されたと考えてよさそうである。

今回の汎用キャップバージョンの出現でSKナールの種類は全部で5種類となった。新種発見の目安として、これまでに出現したSKナールキャップの図柄を一覧表にまとめてみた。なお、『生茶』 に関しては、2009年3月3日のリニューアル製品の投入により、図柄が一新され、2種類となった。「唇」 (KUMA氏の所見 [注5]) のように見える 「くちびる」 バージョンと新規図柄 「ツチノコ」 バージョンである [注6]。過度に単純化された 「茶葉」 の図象が、どうしても太り過ぎのツチノコに見えてしまうのは私だけであろうか。

表. SKナールキャップ一覧表

▼ 1a) 『キリン 生茶』 [くちびるバージョン]
      コールド販売用 | アセプチック充填
      「28NCフラップアセプ-S」 ベースの 「SKナール」
      (初出: 2008年2月26日、火曜日) [注8-9]
▼ 1b) 『キリン 生茶』 [くちびるバージョン]
      コールド販売用 | ホット充填
      「28NCフラップホット-SW」 ベースの 「SKナール」
      (初出: 2008年2月26日、火曜日) [注7]
▼ 2)  『キリンレモン』 [青黄2色刷ブランドロゴバージョン]
      コールド販売用 | 炭酸充填
      「フィンロック」 ベースの 「SKナール」
      (初出: 2008年3月11日、火曜日) [注8]
▼ 3)  『ホット 生茶 玉露入り』 『ホット 生茶 香ばしい深入り』
      [加温器用オレンジ汎用キャップ]
      ホット販売用 | ホット充填
      「28NCフラップホット-SW」 ベースの 「SKナール」
      (初出: 不明 [2009年1月上旬頃]) [注2]
▼ 4a) 『キリン 生茶』 [ツチノコバージョン]
      コールド販売用 | アセプチック充填
      「28NCフラップアセプ-S」 ベースの 「SKナール」
      (初出: 2008年2月26日、火曜日) [注5-6]
▼ 4b) 『キリン 生茶』 [ツチノコバージョン]
      コールド販売用 | ホット充填
      「28NCフラップホット-SW」 ベースの 「SKナール」
      (初出: 2008年2月26日、火曜日) [注5-6]
▼ 5)  『キリン 潤る茶』 [白色地茶色刷 「KIRIN」 汎用キャップ]
      コールド販売用 | アセプティック充填
      「28NCフラップアセプ-S」 ベースの 「SKナール」
      (初出: 不明 [2009年3月12日頃]) [注1]

今回の 「KIRIN」 汎用キャップにおけるSKナールの使用範囲拡大の意味は、一年間の試用期間を経て、その機能性が市場で評価され、正規採用になったようなものである。今後、コレクターにとっては、キャップの図柄だけでなく、ナール形状にも留意することが必要な時代になったことを同時に意味する。

■ 商品表示データ ■
『潤る茶』 (500mLオリジナルPETボトル)
<名称> 清涼飲料水
<原材料名> 水、大麦、玄米、はと麦、ハブ茶、とうもろこし、コラーゲンペプチド、飲用海洋深層水、乾燥ローズヒップ、黒豆、黒胡麻、キダチアロエ、ゆずの皮、ビタミンC、香辛料抽出物、(原材料の一部に大豆、ゼラチンを含む)
<栄養成分> (製品100mL当たり) ●エネルギー:0kcal ●たんぱく質:0g ●脂質:0g ●炭水化物:0g ●ナトリウム:10mg ●カリウム:3mg ●ビタミンC:6~50mg | ●カフェイン:0mg ●コラーゲン:40mg
<製造者> キリンビバレッジ株式会社 (東京都千代田区神田和泉町1番地)
<JAN> 4-909411-036652

■ 参照キャップデータ ■
(a) 『潤る茶』 (500mLオリジナルPETボトル) の賞味期限+製造所固有記号: 「091118/13K.」。賞味期限は約9カ月 (未開栓)。キャップは、NCC社製 「28NCフラップアセプ-S」 改良型ワンピースキャップ (SKナール、洗浄スリットなし) (ロット番号:N6-58)。ボトルは自社 (KBC) 形成 (ロット番号:L32)。プリフォーム [透明/PCO] (ロット番号:D125)。

(b) 『潤る茶』 (500mLオリジナルPETボトル) の賞味期限+製造所固有記号: 「091110/13K」。賞味期限は9カ月 (未開栓)。キャップは、NCC社製 「28NCフラップアセプ」 (粗ギザ) (ロット番号:A10-21)。ボトルは自社 (KBC) 形成 (ロット番号:K06)。プリフォーム [透明/PCO] (ロット番号:D043)。

注1) 「まだあるよ ニューキャップ」 『KUMAの日記風ボトルキャップ通信』 (2009/03/12)
注2) 「キリン 『生茶』 加温器キャップにSKナール出現」 ペットボトルキャップ時評 (2009/01/26)
注3) 「『キリン生茶』 新キャップ異聞」 ペットボトルキャップ時評 (2008/02/27)
注4) 「“毎日の生活で失われる成分をとる健康ブレンド茶” 「キリン 潤る茶」 2月10日 (火) リニューアル新発売」 キリンビバレッジ ニュースリリース (2009/01/14)
注5) 「もうちょこっと ニューキャップ」 『KUMAの日記風ボトルキャップ通信』 (2009/03/10)
注6) 「『生茶』、キャップのイラストを単純化」 ペットボトルキャップ時評 (2009/03/02)
注7) 「『キリンレモン』 変則ナールのグリップキャップでリニューアル」 ペットボトルキャップ時評 (2008/03/11)
注8) 「『キリン生茶』 新規設計の変則ナールキャップでリニューアル発売」 ペットボトルキャップ時評 (2008/02/25)
注9) 「『キリン生茶』 リニューアルに伴い、グリップ性能を強化した新形状キャップを採用」 ペットボトルキャップ時評 (2008/01/21)

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コメント

SKナールの解説ありがとうございます。
詳細で大変わかりやすく書かれていてるので、たくさんの人に楽しんでもらえるのではないでしょうか。

つちのこですか!
確かにぬっとした感じがそんな風に見えますね。
なんとかならないものですかねって書いてるとひょっとすると奇跡が起きるかもかもしれない。

クリティカルレビューから洗練されたデザインレビューへの進化!
今後もOJさん情報を楽しみにしています。^^

KUMAさま こんにちは

この度は過分の賛辞をいただき大変恐縮致しております。

『生茶』 キャップのデザインの件、全く同感です。

恐らく、デザイン段階では、キャップが 「丸い] ことを意識していなかったのではないでしょうか。このキャップの方向は多分、パッケージに描かれているシズル感溢れるイラストと同様に、葉脈を基準として1時半の方向と考えられます。しかしながら、キャップ自体には方向性を示すアンカーマークが存在しません。

従って、今回の 『生茶』 に使用されているような抽象的な図象の場合、キャップの置き方 (見る方向や心象) により、別のモノに見えてくることは、心理学におけるロールシャッハテスト、エッシャーの 「だまし絵」、あるいはそれらを用いたゲシュタルト心理学等の例を引くまでもありません。

すなわち、前回のキャップのように、左に90度転回しただけで、「ウフ、ここは坊やが来るには未だ早いわよ」 といった成熟した女性の唇に見えてしまったり、今回のキャップのように、右に45度傾けただけで、「過度のダイエットの結果、逆に大幅にリバウンドしてしまったツチノコに見える」 などといった訳の分からない評価を受ける羽目に陥るのです。

いずれにしても、図柄が横位置 (3時の方向) に置かれた場合、誤解を受けやすいことがわかります。キャップデザイナーは今後、こうした視覚的効果があることを念頭に置く必要があります。なお、そのことをデザインに反映させるかどうかは別の問題で、全く自由です。

ただ、最近のアドバタイジングデザインを観ていると、デザインの基礎を無視した (あるいは、基礎が出来ていない) 思い付きによるデザインもどきが横行しているような気がします。確かに若い人の斬新なセンスであったり、稚拙なデザインが意外な効果を発揮する場合もあります。でもそれらは、総じて一過性の流行に過ぎません。

少なくとも、商業デザインである限り、機能性と訴求性の課題を統合し 「機能美」 にまで昇華する必要があります。美しくなければデザインではありません (その逆もまた真)。換言すれば、そうした商品は、買う気がしません。これは商品にとっては大変不幸なことです。

KUMAさま、申し訳ございません。コメントへの返答のスタイルを借りて、日頃鬱積していた不満を爆発させてしまいました。やっぱり、クリティカルレビューがしたいです。

OJ拝^^

>美しくなければデザインではありません (その逆もまた真)。

まったく、その通りですね。
そのDNAは後世も変わることはないと思います。

インターネットは自由であるべきです。
やっぱり、OJさんのクリティカルレビューっていいなぁ。

今後も、一般の人達にも優しい解説と業界関係各位には辛口のコメントでもってさらにキャップ業界が栄えることを願って止みません。

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