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2011年5月

2011/05/31

『六条麦茶』 の新キャップ

アサヒ飲料は、2011年5月31日 (火)、満を持して 『アサヒ 六条麦茶』 を全国発売した [注1-2]。同日夕刻、ローソン店頭にて確認、500mL入りPETボトル1本、税込み147円であった。これはこの3月まで、『カゴメ 六条麦茶』 と呼ばれていたものである。

アサヒ飲料は、2010年12月、カゴメ株式会社から 『六条麦茶』 ブランドの製造・販売権を取得した [注3]。本来ならば、これに伴い2011年4月よりアサヒ飲料から販売される予定であったが、この度の大震災の影響により、発売が延期されていたものである。因みに、2L入りの大型PETボトルについては、いまだに発売時期は未定である [注1]。

製品のパッケージデザインのコンセプトに大幅な変更はない。ブランドイメージを継承することにより、商品の継続性をアピールしている。キャッチコピーも、「ずっとやさしい、ずっと安心。」 とカゴメ時代のままである。

また、『六条麦茶』 のアイコンとして定着して久しい中村頼子さんの 「着物美人」 の切り絵が引き続き使用されていることが何よりもうれしい (本当に良かった)。ただし、図柄に若干の変更がある。「LL紙パック」 の250mL及び100mLは 「母子像」 のままであるが、「PET 500mL」 はプライベート層をターゲットとしてリブランドを試みたせいか、「着物美人」 に差し替えられている。

従来の伏せ目がちのポーズから、自立した女性を暗示するかのように、その眼差しは遥か遠方を見据え、未来に注がれている。三つ星小紋の柄をあしらった着物の襟元に添えられた左手がその意思の強さを表しているかのようである。

また、ブランドロゴもカゴメ時代と同様、リョービの明朝系書体 「ナウ-MB」 を用いたお馴染みのものである。

さて、キャップの図柄についてである。粗ギザ白色キャップ地にカゴメ時代と同じく、スミと茶色の2色の配色である。全体的なレイアウトに変更はみられないが、先ず上部のコーポレートロゴは当然ながら 「KAGOME」 から 「Asahi」 に変更された。ただ、刷り色は茶色のままである。「六条麦茶(R)」 のブランドロゴは、縦書き2段組み、スミ一色で変わりはない。右側に配されていた 「母子像」 は、今回から、凛として一人佇む 「着物美人」 の切り絵イラストに変更された。なお、『六条麦茶』 の図柄変遷の歴史については、当ブログのアーカイブスを参照して頂きたい [注4]。

ただ惜しむらくは、無粋な 「あける→」 表示がキャップ天面部下方に新たに追加されたことである。せっかくの作品世界を台無しにしていることにアサヒ飲料は恐らく気付いてはいない。人は、商品とともに年齢を重ね、それぞれの物語を育んでいる。『六条麦茶』 ほどのロングセラー商品ともなれば、もはや人生を彩る背景の一部である。ブランドを買収するということは、そうした人々の思いをもまとめて引き受けるということに他ならない。果たして、アサヒ飲料にその覚悟はあるのだろうか。

今回購入したボトルの製造ロット番号 「L0311C31」 を見て驚いた。この製品が、2011年3月11日のまさに震災当日に製造されていたことが分かったからである。今回の新キャップもまた、震災前に製造されたものである。今、2カ月半の時を経て、ようやく姿を現したといえる。感慨無量である。

大型PETボトルにおける 「母子像」 の図柄 (予測) の新キャップの登場が今から待ち遠しくはあるが、当分の間、白無地となることも覚悟しておく必要があるのかも知れない。

■ 商品表示データ ■
『アサヒ 六条麦茶』 (八角型耐圧PETボトル500mL)
<品名> 麦茶 (清涼飲料水)
<原材料名> 六条麦茶
<栄養成分> (100mL当り) ●エネルギー:0kcal ●たんぱく質:0g ●脂質:0g ●炭水化物:0g ●ナトリウム:6mg | ●カフェイン:0mg
<販売者> アサヒ飲料株式会社 (東京都墨田区吾妻橋1-23-1)
<JAN> 45-14603-22111-4

■ 参照キャップデータ ■
『アサヒ 六条麦茶』 (八角型耐圧PETボトル500mL) の賞味期限:「120304/NFS」。賞味期限は12カ月。キャップは、NCC社製 「28NCフラップアセプ」 (ロット番号:N15-2)。ボトルは、(M) (ロット番号:25)。プリフォーム [透明 (ロット番号:4130)。製造ロット番号: L0311C31

注1) 「ずっとやさしい、ずっと安心 『アサヒ 六条麦茶 PET500mL』 2011年5月31日 (火) 新発売!」 アサヒ飲料 ニュースリリース (2011/05/18)
注2) 「アサヒ六条麦茶」 (ホームページ) [アクセス日: 2011/05/25]
注3) 「カゴメ株式会社からアサヒ飲料株式会社への 「六条麦茶」 ブランドの譲渡に関するお知らせ」 アサヒ飲料株式会社・カゴメ株式会社 ニュースリリース (2010/12/21)
注4) 「カゴメ 『六条麦茶』、「団扇」 から 「母と子」 への図柄切り換え時期について」 ペットボトルキャップ時評 (2009/12/25)

2011/05/17

サントリー 『C.C.Lemon』 にみる非常時対応キャップへの道

2011年4月13日、全清飲 (全国清涼飲料工業会) が、キャップ供給メーカー3社からの緊急要請を受け、PETボトル用樹脂キャップの 「白無地統一」 方針に合意してから、既に1カ月余りが経過している [注1]。ところが、コンビニの陳列棚では依然として、ブランドロゴの印刷された製品を目にする。白無地キャップに変更されたものを数える方が早いくらいである。「白無地」 キャップに変更されたのは、全体の3分の1程度にとどまっている。

やはり、飲料メーカーにとって、これまで育て上げてきたブランドイメージを捨て去ることには大いに抵抗がある筈である。ましてや、飲料キャップは、商品の 「顔」 である。昨日まで化粧をしていたのを、いきなりノーメークで外出するようなものである。あるいは、昨日までかつらを付けていたのを、いきなりカミングアウトするようなものである。場合によっては、「あなたは誰?」 という状況になりかねない。『サントリー烏龍茶』 のお馴染みのロゴキャップが 「白無地」 に変更された場合を想像してみれば、その重大さの程度が分かると思われる。

そうした意味でも、今回の 「白無地統一」 は、非常時の緊急避難的措置なのである。

飲料メーカーの対応は概ね、以下のような流れで進んでいる。先ず、プロダクツラインナップやアイテムの絞込みが行われ、紙パックやボトル缶などの包装容器への転換などにより、PET製品の点数が制限される。このような樹脂キャップの絶対的使用量の見直しが行われた上で、徐々にブランドイメージからの離脱がはかられているようである。

 (1) ブランドロゴキャップの在庫消化 →
 (2) コーポレートロゴ汎用キャップの在庫消化 →
 (3) 「白無地」 もしくは 「→あける」 キャップの導入使用

サントリーフーズ社は、2011年5月中旬、『C.C.Lemon』 において点対称の 「←あける」 汎用キャップを導入した。2011年5月16日、17日の両日、「ローソンストア100」 および 「NEWDAYS」 店頭にて確認。500mL入り1本税込105円 (前者) と147円 (後者) であった。キャップシェルがレモンイエロー地に変更されてから、約2年後の出来事である [注2-4]。

キャップの図柄の変遷と製造時期は以下の通り。賞味期限180日から逆算した推定製造日の推移は、「白無地統一」 の合意を受けてからの、キャップの図柄を順次変更して行く過程を示す好事例と言える。

 <a> 「SUNTORY / C.C. / Lemon」
     ブランドロゴキャップ
     (シェル: 黄色地 + 刷色: 緑)
     賞味期限: 2011.10.11
     推定製造日: 2011.04.14

 <b> 「←あける / SUNTORY」
     コーポレートロゴ汎用キャップ
     (シェル: 白地 + 刷色: 薄茶)
     賞味期限: 2011.10.18
     推定製造日: 2011.04.21

 <c> 「←あける ・ ←あける」
     点対称矢印汎用キャップ
     (シェル: 白地 + 刷色: 薄茶)
     賞味期限: 2011.10.29
     推定製造日: 2011.05.02

さて、今回導入された 「点対称矢印汎用キャップ」 であるが、一般的に知られているアサヒ飲料の灰色矢印のものとは異なり、刷り色は 「SUNTORY」 コーポレートロゴ汎用キャップと同じ薄茶色である。図柄は、「←あける」 を点対称に天地に配したデザインである。29mmのキャップ天面部に3.5mmと、かなり広い余白を残しており、通常のコーポレートロゴキャップの矢印表示位置より内側に来過ぎている印象を受ける。印刷位置のズレにより、同心円上に 「←」 の弧が重ならない可能性もある。極めてバランスが悪いレイアウトと言える。

このキャップは、今回の非常時対応のために、わざわざ印刷されたものである。一般的には、「白無地統一」 が、完全に印刷なしのように報道されているが、実は、充填方法の違いにより、「→あける」 のみが印刷されたキャップも使用されるらしい [注5]。また、キャップの成形工程と印刷工程は全く異なる製造プロセスにつき、「←あける」 程度の印刷は、製造効率に直ちに影響を及ぼすものではない。むしろ、今回の 「白無地統一」 は、特定の飲料メーカーのみに印刷キャップを供給することが業界全体の反発を招くため、「全員横並び」 を旨とする日本的風土に合わせて、よく考え抜かれたスキームと言える。

また、「←あける」 キャップの導入は、充填方法の違いにより、キャップの仕様 (スペック) を間違えないようにするためのヒューマンエラー回避処置の方便でもある。キャップの対応を間違えた場合、「内容物」 や 「炭酸ガス」 の漏洩 (漏出) を招くばかりか、「キャップ飛び」 や 「破裂」 などの重大事故を引き起こす可能性もあり、充填方法とキャップ形態の対応関係は、PETボトル製品における最重要検討事項のひとつである。すなわち、キャップの図柄やデザインは単なる飾りではなく、製造工程や品質管理上、欠くことの出来ない目安でもあったことが、こうした事実からも伺い知ることが出来る。

キャップ供給危機により、非常時対応キャップが新たに出現したことは、私のような一介のペットボトルキャップコレクターにとっても、複雑な思いを抱かせる。これを奇貨とすべきか否かと。

■ 商品表示データ ■
『C.C. Lemon』 (ペタロイド脚500mLロングトールオリジナルシェイプ耐圧PETボトル)
<品名> 炭酸飲料
<原材料名> 糖類 (果糖ぶどう糖液糖、砂糖)、レモン果汁、ビタミンC、香料、酸味料、ベニバナ色素、パントテン酸カルシウム、ビタミンB6、カロチン色素
<栄養成分> (100mLあたり) ●エネルギー:40kcal ●たんぱく質:0g ●脂質:0g ●炭水化物:10.1g ●ナトリウム:19mg ●ビタミンB6:0.3mg ●ビタミンC:286mg ●パントテン酸:0.1~1.4mg
<販売者> サントリーフーズ株式会社 (東京都港区台場2-3-3)
<JAN> 4-901777-209138

■ 参照キャップデータ ■
<a>[ブランドロゴキャップ]
『C.C. Lemon』 (ペタロイド脚500mLロングトールオリジナルシェイプ耐圧PETボトル) の賞味期限+製造所固有記号:「2011.10.11/WB」。賞味期限は180日 (未開栓)。キャップは、日本山村硝子プラスチックカンパニー社製中栓使用の 「TEN-Cap」 2ピースキャップ (ベントホール4カ所) (ロット番号:<シェル本体>NY P108、<中栓>P1-43)。ボトルは吉野工業所製 (ロット番号:B21/H6)。プリフォーム [白/PCO-1810] (ロット番号:H606)。製品ロット番号: L183F5

<b>[コーポレートロゴキャップ]
『C.C. Lemon』 (ペタロイド脚500mLロングトールオリジナルシェイプ耐圧PETボトル) の賞味期限+製造所固有記号:「2011.10.18/WD」。賞味期限は180日 (未開栓)。キャップは、日本山村硝子プラスチックカンパニー社製中栓使用の 「TEN-Cap」 2ピースキャップ (ベントホール4カ所) (ロット番号:<シェル本体>NY P122、<中栓>P1-23)。ボトルは吉野工業所製 (ロット番号:B7/H58)。プリフォーム [白/PCO-1810] (ロット番号:H658)。製品ロット番号: L002I

<c>[点対称矢印汎用キャップ]
『C.C. Lemon』 (ペタロイド脚500mLロングトールオリジナルシェイプ耐圧PETボトル) の賞味期限+製造所固有記号:「2011.10.29/WD」。賞味期限は180日 (未開栓)。キャップは、日本山村硝子プラスチックカンパニー社製中栓使用の 「TEN-Cap」 2ピースキャップ (ベントホール4カ所) (ロット番号:<シェル本体>NY P215、<中栓>P2-29)。ボトルは吉野工業所製 (ロット番号:B18/H62)。プリフォーム [白/PCO-1810] (ロット番号:H662)。製品ロット番号: L214B

注1) 「PETボトル用樹脂キャップ白無地 統一のお知らせ」 全国清涼飲料工業会 (2011/04/13)
注2) サントリー 「C.C. Lemon」 (ブランドサイト) [アクセス日: 2011/05/17]
注3) 「『C.C.Lemon』 のキャップからハニカミ笑顔とカナ表記が消えた日」 ペットボトルキャップ時評 (2010/03/30)
注4) 「『C.C.Lemon』 キャップシェル、レモンイエローへの変身の意味」 ペットボトルキャップ時評 (2009/04/21)
注5) 「日本コカ・コーラ、大半の清涼飲料のキャップを白無地に統一」 MSN産経ニュース (2011/04/22)

2011/05/05

限りなく白に近い 『PUWATER』 のキャップ

震災以降、ミネラルウォーターの品薄状態が続いている。大手飲料メーカーや大手スーパー、コンビニなどの流通業界では、外国からの緊急輸入を実施し、急場を凌ごうとしている。その結果、通常では、お目に掛かることのない珍しいペットボトル入りミネラルウォーターの氾濫を招いている。少なくとも、陳列棚で売れ残っているのは、国産ではなく外国産である。

消費者は、「安全な水」 が欲しいのではなく、「安心」 を買いたいだけだということが、メーカーや流通業界の人々には分かっていない。反面、水を買う消費者には、商品の中身でなく、ブランド力でしか判断出来ない購入動機の稚拙さが常に付きまとう。うわべのみで、本質を見ようとしない国民性が如実に現れた結果である。

そうした品薄状況の中、業務用スーパー 「肉のハナマサ」 で、株式会社富士清水の富士山のバナジウム天然水 『ピューウォーター (PUWATER)』 を見付けた。500mL入り税込み68円である。国産ナチュラルミネラルウォーターの中でもかなりの廉価品である。この商品は数年前から、100円自販機で時折見掛けるだけで、店頭販売されているのを確認したのは今回が初めてである。いまや、流通業界はこぞって、埋もれた 「水」 の掘り起こしに躍起のようである。

この商品を取り上げたのは、キャップの色にある。通常、「無地」 のキャップには、これと言った特徴がないので、対象外として来たが、今回の 『PUWATER』 のキャップは 「無地」 ではあるが、限りなく白に近いブルーである。どのくらい白に近いかと言えば、夜の街路灯の下では認識出来ない程度にである。喩えるならば、品の良いペパーミントシャーベットと言ったところである。『ガリガリ君ソーダ味』 よりも白い。

パッケージは、丸型ボトルの胴に波型のくぼみを幾重にも付け、グリップ性能を増している。シュリンクラベルも、青 (空色) とペールブルーのモノトーン配色で落ち着いた雰囲気を醸している。このボトルに、ペールブルーの粗ギザキャップはとても良くマッチしていると思う。その効果は、「白無地」 キャップとの対比により一層際立つであろう。敢えて、ロゴやマークを使用しなくとも、商品価値を高めることに成功した一例と言える。そこには、メッセージ性すら読み取ることが出来る (ちょっと褒め過ぎか)。

果たして、キャップの在庫がいつまで持つかは知らないが、可能な限り生産を継続して貰いたいものである。

■ 商品表示データ ■
『PUWATER』 (丸型波柄オリジナルシェイプPETボトル500mL)
<名称> ナチュラルミネラルウォーター
<原材料名> 水 (鉱水)
<採水地> 山梨県南都留郡山中湖村
<栄養成分> 100mL当り ●エネルギー:0kcal ●たんぱく質:0g ●脂質:0g ●炭水化物:0g ●ナトリウム:0.47mg ●カルシウム:1.2mg ●マグネシウム:0.49mg ●カリウム:0.18mg | ●バナジウム:75μg/L
<硬度> 52mg/L <pH> 7.8
<製造者> 株式会社富士清水 (山梨県南都留郡鳴沢村4414)
<JAN> 4-582360-040057

■ 参照キャップデータ ■
『PUWATER』 (丸型波柄オリジナルシェイプPETボトル500mL) の賞味期限:「13.04.09/FSY*」。賞味期限は24カ月 (未開封)。キャップは、日本クラウンコルク社製 「28NCフラップアセプ」 ワンピースキャップ [粗ギザタイプ] (ロット番号:N19 10)。ボトルは自社成形 (ロット番号:2)。プリフォーム [透明/PCO-1810] (ロット番号:NT82064)。

*FSY = 株式会社富士清水 山中湖工場

注1) 「株式会社富士清水」 (ウェッブサイト) [アクセス日: 2011/05/05]

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