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2012/07/23

大和ノーベンバル社の新形状キャップ 「カド丸de粗ギザ」

ペットボトルキャップコレクターの間では 「カド丸」 の愛称で親しまれているキャップがある。キャップの天面とスカートの境界部 (とりあえず、カドと呼ぶことにする) に緩やかな丸みを帯びた可愛らしい形状のキャップである。

でも誰も正確な名称を知らない。

主に、ミルク入りコーヒー飲料や麦茶などのようにタンパク質を豊富に含有する製品で見掛けることが多い。これは、タンパク質が熱に弱い性質に因るものである。加熱殺菌が出来ないため、常温ないし低温でも充填が出来るように、ボトルやキャップを直前に殺菌してから充填する方法が開発された。「無菌充填」 と呼ばれる方式である。

本邦において、ペットボトル飲料用キャップを供給するメーカーは、日本クラウンコルク社、CSIジャパン社、日本山村硝子プラスチックカンパニー、そして大和ノーベンバル社の4社である。なお、清涼飲料水 (ソフトドリンク) に限って言えば、この4社でキャップ市場のほぼ全部を占めている。私は、これ以外の供給メーカーを寡聞して知らない。

当然、この4社は各社とも独自に 「無菌充填」 用キャップも製造しており、前者3社が 「粗ギザ」、後者1社が 「カド丸」 とコレクターの間で呼び慣らわされているキャップを供給している。

前者と後者の決定的な違いは、スカート部のギザギザの本数にあった。ナール本数60本のものが 「粗ギザ」、カドに丸みがあり、ギザギザが細かいもの (実は120本ある) が 「カド丸」 である。

2012年7月までは、この定義で何ら問題はなかった。ところが、2012年7月以降、これに 「カド丸de粗ギザ」(仮称) の定義が加わることになる。

「カド丸de粗ギザ」 (仮称) とは何か。それは、カド丸のくせにギザギザの本数が60本のキャップのことである。おまけにカド丸の部分にまでギザギザの形状が滝登りしている。画像は、世界的に屈指のペットボトルキャップコレクターであるKUMA氏のブログサイトを参照 [注1]。

この 「カド丸de粗ギザ」 (仮称) は、2012年7月、サッポロ飲料の 『がぶ飲みフルーツミルク』 [注2-3] において出現した。

KUMA氏の情報ネットワークを経由して、7月17日 (火) にもたらされたものである (第一発見者の方に多謝!)。この情報に接した瞬間、居ても立ってもいられず、またいつもの如く夜の街に駆け出した。翌日も駆け回った。その翌日も。

しかしながら、サッポロ飲料の 『がぶ飲みフルーツミルク』 を探すことは予想外に大変であった。先ず、この商品はコンビニエンスストアでは取り扱っていない。少なくとも、コンビニヘビーユーザーの私はこの夏、見掛けたことがない。大型スーパー、食品スーパー、100円ショップ、街角の自動販売機、ゴミ箱の中、思い当たる所は全て回った。当ブログのコアな読者ならばご存知のことと思うが、<そのPETボトルはどこそこに行けば買えるはずだよメモ> に記載された場所はシラミ潰しに捜索した。でも、見つからなかった。

話は変わるが、私は現在、「ベビーチーズ」 のラベルを集めている。勿論趣味である。でも、チーズもおいしく頂いている。きっかけは、昨年の2011年4月1日に 「メグミルク」 が雪印ブランド復活のため、「雪印メグミルク」 に社名変更したことによる。コーポレートマークが 「スノーミルククラウン」 と呼ばれるへんてこりんなデザインに変わってしまったこと対する抗議である (個人的な)。市場にまだ残されている六角形の雪の結晶を掬い集めるのが当初の目的であった。でも気付いたら、深みに嵌っていたというパターンである。

そして、2012年7月22日 (日)、そろそろチーズになり掛けていた頃、偶然、私鉄沿線のプラットフォームに設置された自販機で 「カド丸粗ギザ」 に巡り会えた。半ば諦め掛けていたので、自販機のボタンを押す指が震えた。ガタンと音のした後、普通の粗ギザかなと思った。カドの丸みが気にならないくらい角ばった印象であった。でも良く見ると、カドの部分にまでナールが遡上している様子が見て取れた。

このカドにまで及ぶギザギザは、指の腹全体にやさしく当たるため、開栓時の痛みを分散し、軽減する役割を果たしている。恐らく大和ノーベンバル社は、このキャップをユニバーサルデザインキャップとして位置づけているものと思われる。なお、この形状は、Novembal社のおフランス本社が既に炭酸飲料用キャップ 『Novasoda』 [注4] として導入しているものである。今回出現したキャップは、本邦の状況に合わせて粗ギザタイプに改良したものと思われる。

気になる仕様は、以下の通りである。先ず、キャップの素材は爪で弾いた時のその乾いた音から判断して、恐らく高密度ポリエチレン (HDPE) と思われる。口径φ28mm、PCO-1810対応、外径φ30mm、キャップ全高19.0mm (シェル高14.0mm + TEバンド高5mm)、ナール線数=60本 (1本のみインジケータ用としてカド丸部分への回り込みなし)、最大有効印刷領域 (直径φ25mm)、印刷面は平滑、注入孔のバリ痕はほぼ平滑でクリア、有効スレッド巻き数=2回 (720°)、プラグ栓、印刷冶具アタッチメント用突起構造あり (放射線4本 + Novembal社ロゴ + 3桁のキャビティ番号)、ブリッジ数=10カ所、ブリッジ形成=スリット、TEバンド機構=環状の折り返しフォールド (台形ベント孔8カ所)。

このキャップの最大の特徴は、印刷面の仕上がりが綺麗なことである。これまでの 「カド丸」 キャップにおける印刷問題が完全にクリアされたことで、一気に需要が増えることが期待される。おまけにユニバーサルデザインキャップである点も見逃せない。まさに失地回復、捲土重来を期したキャップといえる。

さて、キャップの図柄であるが、白色キャップ地の印刷有効範囲である直径25mmの天面部に茶色の刷り色で上方に 「SAPPORO」 のコーポレートロゴ、下方に2段組で 「Drink it, Enjoy it and Satisfy your thirst」 のスローガンである。お馴染みの汎用図柄である。因みに、スローガンの意味は 「飲め、愉しめ、渇きを癒せ] ぐらいの意味である (多分!)。

今回入手した製品は、大和製罐グループの三和缶詰群馬工場で製造されたものであるため、販売エリアが限定されている可能性がある。また、今回の新形状キャップが、新製品にではなく、従来品に使用されていることからも、試験的導入であることが伺える。

天面部をフラットにし、印刷品位の向上を目指したキャップではあるが、惜しむらくは、自販機販売ではゴトンと取り出し口に落ちた瞬間、ナール部分に傷が付きやすいことである。そのため、見た目の美しさが毀損される恐れがある。折角の白糸の滝の如く美しいフォルムが台無しである。

「カド丸de粗ギザ」、誰もまだ正確な名称を知らないキャップがまた一つ増えた。市場とコレクターに受け入れられるためには、自己紹介とユニークなニックネームが必要である。

■ 商品表示データ ■
『がぶ飲みフルーツミルク』 (6角形500mLボトル)
<品名> 清涼飲料水
<原材料名> 砂糖、牛乳、果汁 (りんご、パインアップル、バナナ、もも)、加糖れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、デキストリン、食塩、安定剤(CMC)、酸味料、香料、カロチノイド色素、ビタミンC
<栄養成分> (100mL当たり) ●エネルギー:44kcal ●たんぱく質:0.1~0.6g ●脂質:0.1~0.5g ●炭水化物:9.9g ●ナトリウム:45mg | [ラベル表示外のサイト情報] ● カリウム:19mg ●リン:10mg
<販売者> サッポロ飲料株式会社 (東京都渋谷区恵比寿4-20-1)
<JAN> 45-82155-81182-4

■ 参照キャップデータ ■
『がぶ飲みフルーツミルク』 (6角形500mLボトル) の賞味期限+製造所固有記号: 20130306/SG*。賞味期限は9カ月 (未開栓)。キャップは、大和ノーベンバル社製ワンピースキャップ [粗ギザ+カド丸] (Cavity#:123)。ボトルは、大和製罐社製 (ロット番号:B9/・3L)。プリフォーム [透明/PCO-1810] (ロット番号:B2-01)。製造ロット番号: 10:12

* SG = 三和缶詰株式会社群馬工場 (372-0032 群馬県伊勢崎市北千木町1410-1)

注1) 「サッポロ飲料 『がぶ飲みフルーツミルク』 の新型キャップ!」 KUMAの日記風ボトルキャップ通信 (2012/07/23)
注2) サッポロ飲料 「がぶ飲みフルーツミルク」 (商品ラインナップ) [アクセス日:2012年7月22日現在]
注3) サッポロ飲料 「がぶ飲みフルーツミルク」 (「がぶ飲みTOWN」 ブランドサイト) [アクセス日:2012年7月22日現在]
注4) 「Novasoda」 (Novembal社フランス本社ホームページ)

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コメント

OJさん、こんばんは。

力の入った記事の更新お疲れ様でした。

新型キャップのユニークな愛称を思い付くのはなかなか難しいですね。

粗ギザが出現したころ、その呼び方はコレクターの間で議論を呼ぶまでもなく自然に「粗ギザ」と呼ぶようになっていました。
そのころ、私は勝手に「ピッチ大」とか呼んでいましたが、その呼び方はどうもねぇと某コレクターからぴしゃっと窘められたのを機に使わなくなりました。
今にして思えば、もっとユニークな呼び方を考えついていたなら、キャップ史に残っていたのだろうなぁと思ったりしますが、私にはそういう才能は無かったということですね。あはは。

さてさて、後世まで語り継がれるであろう新型キャップのユニークな愛称やいかに。

形状も単純ではなくなって来ているので、「カド丸de粗ギザ」はいいかも。
いつの日か、歴史がその優位性を証明してくれることでしょう。^^

KUMAさま こんにちは

斜め方向からの画像のアップありがとうございました。

ペットボトルキャップコレクターの先達のみなさんが付けてくれた 「ノーマル」 「粗ギザ」 「カド丸」 「ヘソあり」 などの呼称は、直感的で分かりやすく、親しみやすい点が秀逸だと思っています。私は、リスペクトの意味も込めて、これらの呼称を大事にして行きたいと思っています。

恐らく、「ノーマル」 と 「粗ギザ」 の呼称はほぼ同時に発生したと思います。なぜなら、「粗ギザ」が出現するまでは、「ノーマル」 か 「アブノーマル」 かの区別は必要ないからです。そういう意味では相互補完的な呼称であることが分かります。そこに、キャップ形状の変遷史を織り込んでいることも、この呼称が優れている点だと思います。

本来ならば、ナールの密度について両者を較べているだけなので、キナコ館長が用いている 「細ギザ」 の方が、理に適っています。でも、敢えて 「ノーマル」 を使用する拘りにコレクターとしての矜持のようなものを感じます。

因みに、キナコ館長は、ウェーブナールを「波ギザ」などと呼んでいて、観察力と直観力に優れたセンスをお持ちだと感服致します。それに較べて、私にはセンスも捻りもありません (トホホ)。

ところで、今回のキャップの呼称についてですが、「カド丸」 に対して 「カドギザ」 を提案したいと思いますが、いかがでしょうか。是非忌憚のないご意見を頂きたいと存じます。

OJ拝^^

OJさん、こんばんは。

ナールの神様が果敢に挑戦して命名した「カドギザ」。いいですねー。

せっかく命名したこのカドギザ。これからもどんどん見られるようになると良いですね。^^

「カドギザ」キャップですが、白無地のものをダイソーで「サンガリア まろやかカフェオレ 500ml」のキャップとして5月24日に確認しています。
賞味期限は130108です。

はじめまして 匿名の情報提供者さま

どこのどなたか存じませんが、ご親切に下記情報をありがとうございます。

> 「カドギザ」キャップですが、
> 白無地のものをダイソーで
> 「サンガリア まろやかカフェオレ 500ml」の
> キャップとして5月24日に確認しています。
> 賞味期限は130108です。

実は、情報を頂いてから、都内のダイソーを中心に100円ショップをくまなく探してみたのですが、残念ながら発見には至りませんでした。それで、お返事するのが遅くなり、申し訳ございません。

今回の 「カドギザ」 は、印刷も綺麗ですし、フォルムも一見すると、他社3社のものに近いので、市場性が増したように思います。今後、何か別の製品に 「白無地」 が出現しそうな予感がしますので、そのときを楽しみとしたいと思います。

また何かございましたら、コメントをお寄せ頂ければ幸いです。本当にありがとうございました。

OJ拝^^

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