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2012/08/04

「XYZ」 の新キャップ

クラスター浸透水でお馴染みのグローブサイエンス社のボトルドウォーター 『XYZ (R) Size』 [注1] のキャップから 「Size」 の文字が消えた。まるで、エラリー・クイーンのミステリー小説のようである (まだ1冊も読んだことはないが)。

2012年8月4日 (土)、「OMO Kinokuniya」 (Esola池袋店) [注2] にて購入。500mL入り1本税込み250円であった。以前は確か、500mL入り1本税込み399円であったので、随分とお安くなったものである [注3-5]。

「OMO Kinokuniya」 は、高級スーパーマーケット 「紀ノ国屋」 系列のスペシャリティーショップであり、お洋服屋さんで言うところのセレクトショップのような品揃えのコンビニ感覚の小売店である [注2]。

グローブサイエンス社のウェッブサイト [注1] によれば、今回の新パッケージ版 (クラスター品質に変更なし) の製造が開始されたのは、2012年7月1日とのことである。恐らく店頭に並んだのは、ここ1~2週間以内と思われる。仕事にかまけて、すっかり見逃していた。

新パッケージの第一の変更点は、キャップに透明の保護シールが巻かれたことである。本来、ペットボトルキャップには、TEバンドと呼ばれるいたずら防止機構が備わっているので、安全面での管理は万全なのだが、更に透明な保護シールを巻くことで二重の安全性を強調したものと思われる。

因みに、こうした保護シールの巻かれた製品には、カナダの 『ウィスラーウォーター』、日本の 『森の天然水』、『ミッキーマウス天然水』、『天然名水出羽三山の水』 などがある。また、おフランスの 『エビアン』 にもホテル仕様と呼ばれる製品にこの封緘が見受けられる。いずれも、ミネラルウォーターで見掛けるものであり、多くは三条ネジとよばれるキャップの誤開栓防止用として用いられている。三条ネジは120度毎にネジの切り始めがあるため、ちょこっと捻るだけで開栓出来るのが特徴である。反面、運搬中や陳列中の衝撃で、キャップが開いてしまう恐れがあるため、保護シールがプロテクターとしての役目も果たしている。

しかしながら、今回のキャップは、一条ネジのCSIジャパン社製 「Wing-Lok」 なので、多少の衝撃があったとしても、誤って開栓するという事態は考え難い。恐らく 『XYZ Size』 の保護シール導入の真の目的は高級感の演出であろう。

新パッケージの第二の変更点は、キャップの図柄が、「XYZ Size」 から 「XYZ」 に変更されたことである。右下に添えられていた 「Size」 の文字が消えた分、全体が中央に置かれたため、随分とスッキリした印象を受ける。

新パッケージの第三の変更点は、粗ギザからノーマルギザに変更されたことである。撥水処理の施された粗ギザキャップの印刷面では、インキのノリが悪く、印刷ズレや滲みが発生しやすい。今回の変更は高級感の演出において成功している。また、気密性の高い青色パッキン付き 「Wing-Lok」 は、水の品質保持にも最適である。賞味期間が約2年とこれまでの2倍になったのも頷ける。

今回のキャップデザインの変更は、恐らく水源地の変更 (すなわち、委託製造メーカーの変更) によるものである。実は、キャップの種類 (材質、供給メーカー、ギザギザのタイプ、など) は委託先の製造ラインの仕様によって半ば自動的に決定されるため、発注者はそれを随意に選べない。

これまでの対応キャップと水源地は以下の通りである。随分と水源地が転々としているが、クラスター化に関する製造技術に変更ないことから、同一製品として扱われている。

▼ 第1期 (2007年)
  キャップ図柄: XYZ (R) Size
  キャップ種類: 「Fin-Lok」(ノーマルギザ)
  供給メーカー: 日本クラウンコルク社
  採水地: 山形県田川郡庄内町立谷沢字西山

▼ 第2期 (2008年~2009年頃)
  キャップ図柄: XYZ Size
  キャップ種類: 「Fin-Lok」(ノーマルギザ)
  供給メーカー: 日本クラウンコルク社
  採水地: 山形県田川郡庄内町立谷沢字西山

▼ 第3期 (2009年1月)
  キャップ図柄: XYZ Size
  キャップ種類: 「AS-Lok」(粗ギザ)
  キャップ種類: CSIジャパン社
  採水地: 山梨県甲州市塩山上萩原
       → 富山県中新川郡

▼ 第4期 (2012年7月)
  キャップ図柄: XYZ
  キャップ種類: 「Wing-Lok」(ノーマルギザ)
  キャップ種類: CSIジャパン社
  採水地: 富山県中新川郡

さて、よく耳にする 「水の分子クラスター」 であるが、実のところ、何のことかさっぱり分からない。インターネットで調べたところ、英国ケンブリッジ大学化学部門のデービッド・J・ウェールズ教授 (計算生物物理学) が主宰する 『The Cambridge Cluster Database』 に、クラスター分子配置に関するデータがあったので覗いてみた [注6]。

私の拙いイメージで表現すると、水分子がまるでスカイダイビングのフォーメーションのように緩やかに結合しているイメージである。これは 「水素結合」 と呼ばれ、「共有結合」 や 「イオン結合」 よりも遥かに弱い結合であるらしい。従って、結合時間も極めて短く、フォーメーションも変幻自在に変化するため、クラスターサイズを小さなまま留めておくことは、かなり困難なことではないだろうか。

ところで、『XYZ Size』 という商品名であるが、化学分野でクラスター配置を表現するファイル形式の 「xyz-file」 に由来するものと考えられる。クラスター配置は、X、Y、Zのデカルト座標で表現され、分子間の距離の単位は通常オングストローム [100億分の1メートル] が用いられる。この商品名には、これほど小さな分子サイズであることへの篤い 「想い」 が込められている。

基本的な参考文献として、インド工科大学カーンプル校とプネー大学の共同研究 「水クラスターの構造と安定性 (H2O)n、n = 8~20]:非経験的研究」 (英文) [関連参考文献8] が各サイズ毎のクラスター構造について非常に分かりやすく説明している。

■ 商品表示データ ■
『XYZ (R) Size <ピンクダイア>』 (4角PETボトル500mL)
<品名> ボトルドウォーター (サイズ)
<原材料名> 水 (深井戸水)
<採水地> 富山県中新川郡
<栄養成分> (100mLあたり) ●エネルギー:0kcal ●たんぱく質:0g ●脂質:0g ●炭水化物:0g ●ナトリウム:0.49mg | ●カリウム:0.18mg ●マグネシウム:1.8mg ●カルシウム:0.41mg
<硬度> 63mg/L、<pH値> 6.6
<販売者> グローブサイエンス株式会社SIZE
<JAN> 45-60134-63078-9

■ 参照キャップデータ ■
『XYZ (R) Size <ピンクダイア>』 (4角PETボトル500mL)) の賞味期限:「20140608」。賞味期限は約24カ月 (未開栓)。キャップは、CSIジャパン社製 「Wing-Lok」 ライナー材使用の2ピースキャップ [ノーマルタイプ] (ロット番号:<本体>F4E 345、<ライナー材>125)。ボトル (ロット番号:n/a)。プリフォーム [白/PCO-1810] (ロット番号:PHH-142)

■ 注 ■
注1) 「XYZ(R) Size」 (製品ホームページ) [アクセス日:2012年8月4日]
注2) 「OMO KINIOKUNIYA」 (紀ノ国屋のサテライトショップ) [アクセス日:2012年8月4日]
注3) 「ボトルドウォーター 『XYZ (R) Size』 のキャップ」 ペットボトルキャップ時評 (2007/08/25)
注4) 「『XYZ』 キャップ、粗ギザに変更」 ペットボトルキャップ時評 (2009/01/28)
注5) 「『XYZ』 キャップ異聞」 ペットボトルキャップ時評 (2009/02/02)
注6) 『The Cambridge Cluster Database』 (英国ケンブリッジ化学部門ウェールズ研究班のホームページ) [アクセス日:2012年8月4日]

■ 「水の分子クラスター」 関連参考文献 ■
1) W.L. Jorgensen, J. Chandrasekhar, J.D. Madura, R.W. Impey. Comparison of simple potential functions for simulating liquid water. J. Chem. Phys., 1983, 79 (2), 926-935
2) R.E. Kozack, P.C. Jordan. Empirical models for the hydration of protons. J. Chem. Phys., 1992, 96 (4), 3131-3136
3) D.J. Wales, M.P. Hodges. Global minima of water clusters (H2O)n, n=21, described by an empirical potential. Chem. Phys. Lett., 1998, 286 (1-2), 65-72
4) M.P. Hodges, A.J. Stone. Modeling small hydronium-water clusters. J. Chem. Phys., 1999, 110 (4), 6766-6772
5) M.W. Mahoney, W.L. Jorgensen. A five-site model for liquid water and the reproduction of the density anomaly by rigid, nonpolarizable potential functions. J. Chem. Phys., 2000, 112 (20), 8910-9822
6) H.M. Lee, S.B. Suh, K.S. Kim. Structures, energies, and vibrational spectra of water undecamer and dodecamer: An ab initio study. J. Chem. Phys., 2001, 114 (24), 10749-10756
7) Lee, Suh and Kim. Structures, energies, and vibrational spectra of water undecamer and dodecamer: An ab initio study. J. Chem. Phys., 2001, 115 (15), 7331. [Erratum: J. Chem. Phys, 10749 (2001)]
8) S. Maheshwary, N. Patel, N. Sathyamurthy, A.D. Kulkarni, S.R. Gadre. Structure and stability of water clusters (H2O)n,n) 8-20: An Ab initio investigation. J. Phys. Chem. A., 2001, 105(24), 10525-10537
9) T. James, D.J. Wales, J. Hernandez-Rojas. Global minima for water clusters (H2O)n, n=21, described by a five-site empirical potential. Chem. Phys. Lett., 2005, 415 (4-6), 302-307
10) J. Hernandez-Rojas, J. Breton, J.M.G. Llorente, D.J. Wales. Global potential energy minima of C60(H2O)n clusters. J. Phys. Chem. B., 2006, 110 (27), 13357-13362
11) B.S. Gonzalez, J. Hernandez-Rojas, J. Breton, J.M.G. Llorente. Global potential energy minima of (H2O)n clusters on graphite. J. Phys. Chem. C., 2007, 111 (40), 14862-14869
12) B.S. Gonzalez, J. Hernandez-Rojas, J. Breton, J.M.G. Llorente. Global potential energy minima of (H2O)n clusters on graphite: a comparative study of the TIPNP (N=3,4,5) family. J. Phys. Chem. C., 2008, 112 (42), 16497-16504

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