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2013/10/05

キリン 『生茶』 キャップにおけるベタ丸サイズの差異について <小ネタ④>

ペットボトルキャップ周辺に漂う瑣末な事柄に果敢に挑む無謀な企画、<小ネタ> シリーズ・リターンズである。今回は、全国のSKナールマニア垂涎の内容である。

キリンビバレッジ社が半年以上も前の2013年3月19日、『キリン生茶』 をリニューアル全国発売したことは既報の通りである [注1-3]。このときのキャップは、当ブログの記事によれば、透明口栓部に対応した 「28NCフラップアセプE」 SKナールカスタマイズキャップであった。

今回、これとは異なるもう一つの 『キリン生茶』 SKナールが存在することが判明した。主に自販機で販売されている280mL入り製品である。これには、口栓部が白色のホット充填用耐熱ボトルに対応する 「28NCフラップホット-S」 SKナールカスタマイズキャップが用いられている。このキャップの特徴は、環境負荷軽減を推進する目的で、キャップのカドが大きく面取りされていることである。そのため、天面部の有効印刷領域がアセプティック充填用キャップに較べて直径で約1mmほど小さくなっている。

その結果、緑色で刷られたベタ丸の直径は、前者の約24mmに対して後者の約22.5mmと約94%縮小である。ただ、この程度の縮小率では大したことはないと思われるかも知れないが、天面部のサイズが直径29mm程度しかないキャップにおいては、キャップの淵からベタ丸までの余白が前者の2.5mmに対して後者では3.25mmもあるため、印象は意外なほど異なる。更に、キャップの素材の違いにより、ベタ丸の印刷品位にも自ずと違いが生じるため、その差異は更に広がる。並べて較べるとその違いが良く分る。

以下に両キャップの特徴 (見分け方のポイント) と天面部の大まかなスペックを示す。なお、SKナールキャップの 「見分け方」 については、2012年1月15日付け関連ブログ <小ネタ③> も併せてご参照いただきたい [注4]。


表. ベタ丸図柄の 『生茶』 SKナールキャップの特徴と天面部の概略仕様

(a) 「28NCフラップアセプE」 + SKナール
  充填方式: 無菌充填 (前殺菌)
  口栓部: 透明 (非結晶化)
  ドットホール位置: 細ギザセクター右端
  キャップ裏: 「花火」 様パターン
  有効印刷領域幅 (直径): 約27mm
  「生茶」 ベタ丸直径: 約24mm
  キャップ素材: HDPE (高密度ポリエチレン) 主体
  加飾印刷品位: 抜き文字部分での滲み大

(b) 「28NCフラップホットS」 + SKナール
  充填方式:ホット充填 (後殺菌)
  口栓部: 白色 (結晶化)
  ドットホール位置: 細ギザセクター中央
  キャップ裏: 「好々爺顔」 様パターン
  有効印刷領域幅 (直径): 約26mm
  「生茶」 ベタ丸直径: 約22.5mm
  キャップ素材: PP (ポリプロピレン) 主体
  加飾印刷品位: 抜き文字部分への滲み小

注) 開栓前の口栓部の色の違いは、キャップ (シェル部+TEバンド部) 直下にある1~1.5mm厚の 「サポートリング」 の色でも判別可能である。


「SKナール」 は、キリンビバレッジ社用のカスタムキャップとして当時の日本クラウンコルク (NCC) 社とキリンの共同開発で製作されたという経緯がある。そもそも、「SKナール」 の 「K」 は 「KIRIN」 の頭文字に由来している。では、「SK」 の 「S」 の方は何かというと、環境負荷軽減型キャップとして当時開発中であった 「28NCフラップホット-S」 や 「28NCフラップアセプ-S」 のシリーズ名 「S」 に由来する。

因みに、東日本大震災後はほとんど見掛けることが無くなったアサヒ飲料とNCC社が共同で開発した 「ウェーブナール」 は、この 「28NCフラップホット-S」 をベースに改良されたため、「Wave-knurling」 の頭文字 「W」 との組み合わせで 「28NCフラップホット-SW」 と呼ばれていた。変形ナール形状の先駆けであったため、「ウェーブナール」 と通称されるようになったが、開発の順番が逆ならば、今日、「SWナール」 と呼ばれていた可能性もある。

また、我々コレクターは、勝手に 「SKナール」 などと押しなべて呼んでいるが、今日の 「28NCフラップアセプE」 をベースに改変されたものは、この命名法のルールに従うならば 「EKナール」 と呼ばなければならない筈である。何れにしても、無菌充填用SKナールに限っては、現在でも同社専用であるため、特に呼称問題は生じていないようである。

なお、両方のキャップとも、日本クロージャー (NCC) 社が製造・供給メーカーである。それにもかかわらず、僅かとはいえ、図柄サイズに差異が存在するというのは、奇妙なことである。はじめから、ベタ丸の大きさを小さ目にデザインしておけば良かったのではないか思うが、飲料メーカーには飲料メーカーの思惑があっただろうし、今更、ベタ丸のサイズを統一するのも面倒なことと思われる。全くもって、稀有な例といえる。

今回、『キリン生茶』 にバリアントが存在するという、決してお金では買えない情報を提供してくれたのは、ただのお節介なペットボトルキャップコレクターであった。このご厚意に対しては 「恩返しだ!」 (by クドカン) で報いたい。

■ 商品表示データ ■
(a)『キリン 生茶』 (555mLオリジナルシェイプ [市松格子柄耐圧パネル] PETボトル)
<名称> 清涼飲料水
<原材料名> 緑茶 (国産)、生茶葉抽出物 (国産)、ビタミンC、香料
<栄養成分> (製品100mL当たり) ●エネルギー:0kcal ●たんぱく質:0g ●脂質:0g ●炭水化物:0g ●ナトリウム:11mg
<製造者> キリンビバレッジ株式会社 (東京都千代田区神田和泉町1番地)
<JAN> 49-09411-15286-7

(b)『キリン 生茶』 (280mL六角形耐熱PETボトル)
<名称> 清涼飲料水
<原材料名> 緑茶 (国産)、生茶葉抽出物 (国産)、ビタミンC、香料
<栄養成分> (製品100mL当たり) ●エネルギー:0kcal ●たんぱく質:0g ●脂質:0g ●炭水化物:0g ●ナトリウム:11mg
<販売者> キリンビバレッジ株式会社 (東京都千代田区神田和泉町1番地)
<JAN> 49-09411-15286-7

■ 参照キャップデータ ■
(a)『キリン 生茶』 (555mLオリジナルシェイプ (市松格子柄耐圧パネル) PETボトル) の賞味期限+製造所固有記号: 「2014. 6. 9/S.」*。賞味期限は8カ月 (未開栓)。キャップは、NCC社製 「28NCフラップアセプ-E」 改良型ワンピースキャップ (SKナール、洗浄スリットなし) (金型#/キャビティ#:A44/41)。ボトルは自社内製 (K.B.C.) 形成 (ロット番号:C22)。プリフォーム [透明/PCO1810] (ロット番号:D-051)。

(b)『キリン 生茶』 (280mL六角形耐熱PETボトル) の賞味期限+製造所固有記号: 「2014. 5. 3/CA」**。賞味期限は8カ月 (未開栓)。キャップは、NCC社製 「28NCフラップホット-S」 ベース改良型ワンピースキャップ (SKナール、洗浄スリット6個所) (金型#/キャビティ#:H82/43)。ボトルは北海製罐社製 (ロット番号:AD-331)。プリフォーム [白色/PCO1810] (ロット番号:17:55:)。

* S. = キリンビバレッジ 湘南工場 (253-0101 神奈川県高座郡寒川町倉見1620)、今回参照した製品の製造日は、2013年10月12日頃
** CA = 株式会社日本キャンパック 赤城工場(371-0202  群馬県前橋市室沢1171)、今回参照した製品の製造日は、2013年9月5日頃

注1) 「『深蒸し茶』 を配合し、豊かな旨味が感じられる味わいを実現 『キリン 生茶』 3月19日 (火) リニューアル新発売」 キリンビバレッジ ニュースリリース (2013/01/23)
注2) キリンビバレッジ 「生茶」 (ブランドサイト) [アクセス日: 2013年10月4日]
注3) 「『生茶』 緑色ベタ丸図柄のSKナール」 ペットボトルキャップ時評 (2013/03/19)
注4) 「SKナールキャップの見分け方 <小ネタ③>」 ペットボトルキャップ時評 (2012/01/15)

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コメント

こんばんは。
記事と関係が無く恐縮ですが、本日、街頭でJTの加温器キャップの粗ギザのものを見かけました。
オレンジシェルの粗ギザキャップの真ん中に「JT」のロゴ、周囲に「本製品は加温器販売ができます」と印刷されている、昨年度のキャップと同じ図案です。
「辻利」のホットについていました。
未入手なので詳細は分かりませんが、このキャップはニューキャップでしょうか。

クモの巣さま こんばんは

オレンジシェル粗ギザキャップ、真ん中に 「JT」 ロゴ、周囲に 「本製品は加温器販売ができます」 のキャップは、紛うことなきニューキャップです。

手元にあります。TEバンド表示は 「2014.06.06/CA」 です。キャップの供給メーカーは、日本クロージャー社で、種類はホット販売用結晶化ネックフィニッシュ対応の 「28NCフラップアセプC2」 と思われます。

これまで、ホット販売の緑茶飲料は、基本的にホット充填であったため、ノーマルギザが主流でした。

ところがここ数年、「香り」 と 「味に」 対する拘りと、環境負荷低減 (水の使用量を減らす) ため、飲料工場の製造ラインのアセプ化が推進されています (設備投資にかなりのコストが掛かるにも拘わらずです)。

そのため、近年、ホット飲料にもアセプティック充填が導入され始めています。また、粗ギザオレンジキャップが増えているという実感もあります (『お~いお茶』 など)。

今年がその歴史的転換点なのかも知れません。オレンジキャップのノーマルギザ→粗ギザ化は、今後の注目ポイントです。歴史的ダイナミズムの中でキャップの動向を捉え直す視座を持つことが重要な気がします。

多分、今年がオレンジキャップの当り年であるという<実感>には、こうした背景があったのですね。

いつも貴重な示唆に富む情報の提供をいただき、ありがとうございます。人間一人の行動範囲には自ずから限界があります。だからとても助かります。これからも、よろしくお願いいたします。

追伸

早速、ブログに記事として掲載させて頂きました。ご高覧賜れれば、幸いです。

OJ拝^^

記事、拝見しました。
記事にしていただきまして、ありがとうございます。
大したものは見つけられないかも知れませんが、こちらこそ、宜しくお願いいたします。

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