2008/04/07

いたずら防止バンドのチェック

2008年4月5日、花王より 「茶系飲料 『ヘルシア緑茶』 (350ml・ペットボトル) への異物混入に関するお知らせと、ご注意のお願い」 と題されたニュースリリースが発表された [注1]。報道発表によれば、意図的に異物 (除草剤) が混入された疑いがあると言うことである。今回は被害者男性の的確な判断により大事には至らなかったとはいえ、食物や飲料に毒物を混入するという行為は極めて卑劣な犯行でり、絶対に許すことは出来ない。また、飲料メーカーにとっても、由々しき事態である。

今年に入ってからも、1月末の中国産毒餃子事件が記憶に新しいが、まさに 「食の安全」 が心ない人により脅かされている現状は憂慮すべきことである。しかしながら、食を自給自足出来ない現代社会にあっては、今回のようなことは決して他人事では済まされない。従って、目、鼻、舌などの五感をフルに動員して、自分の身は自分で守るという習慣を身につけることが重要である。今回の被害者男性も口に含んだ瞬間、味の異常に気づき、飲まずに吐き出すことで、被害を最小限にくい止めている。

男性が 「ふたが緩かった気がする」 と話していることから、既にキャップが購入前に開栓されていた可能性がある。

キャップが開栓されているかどうかは、実は誰にでも簡単にチェックすることが出来る。TEバンドを確認するだけで、今回のようなケースはある程度、未然に防ぐことが可能である。TEバンドとは、開栓後にPETボトル側に残る高さ5mm程度のリングを指す。「080805/KIQ」 などの賞味期限や製造所固有記号が印字されている部分と言った方が判りやすいかも知れない。

当ブログにおいてもこれまで、TEバンド (tamper-evident band) と記述して来たものであるが、これは 「いたずら防止バンド」 などとも訳されることでも判るように、PETボトルのキャップが不正に開封されたか否かを証明 (tamper-proof) するために開発されたメカニズムの一つである。

日常では意識することはほとんどないが、PETボトルの開栓は、以下のプロセスを経る。先ず、キャップを反時計回りに回すと、キャップ本体とTEバンドが120~180度程一緒に回る (これらの角度は製品により異なる)。180度付近から、キャップ本体とTEバンドを繋ぐブリッジ部分が 「メリメリ」 と言う音を立てながら離れ始め、約270度を超える辺りから 「ブチッ」 という音と共にブリッジが破断される。ほぼ270~360度 (一周) 回ったところで完全に切り離される。これと同時に密栓状態が 「シュポ」 という音と共に解除され、ボトル内部に外気が入り込み液面が下がる。これが、開栓と言われる一連のプロセスである。なお、これらの角度のことを 「LB角度 (リーク・ブレーク角度)」 と呼ぶ。このメカニズムのお陰で、炭酸飲料などの場合、開栓前に泡が吹き溢れることがない。

いったん開栓され、ブリッジが切られた状態では、キャップを再栓しても、キャップ本体とTEバンドは完全に分離されているため、もはや一緒に回ることはない。従って、開栓されているか否かをチェックするためには、賞味期限や製造所固有記号が印字されているこのTEバンドの部分を指先でつまみ、回してみれば容易に判断がつく。開栓前にTEバンドのみが回るような場合は、決して飲料を口にしてはならない。

なお、これは全くの私見であるが、現在最も安定した 「TE性」 を有するキャップは、シェル・パッキンが独立した2ピース構造の日本山村硝子社製 「TENキャップ」 [注2] ではないかと考えている。ただし、国内のキャップは全て厳しい品質管理が実施されているため、いかなる機構のキャップであれ、確実にLB角度が維持されていることにかわりはない。従って、全てのキャップの 「TE性」 は担保されていると思ってよい。

今後、今回のような被害を未然に防止するためにも、事前のTEバンドのチェックは不可欠である。そして何よりも、自分の五感を研ぎ澄ましておくことは言うまでもない。因みに、本日、私は自分の感覚を信じて 『ヘルシア緑茶』 を飲んだ。風評に踊らされることなく対処することが、こうした卑劣な犯罪に対して有効であると考える。

注1) 「4月5日 茶系飲料 『ヘルシア緑茶』 (350ml・ペットボトル) への異物混入に関するお知らせと、ご注意のお願い」 花王 ニュースリリース (2008/04/05)
注2) 日本山村硝子株式会社 「TENキャップの特長

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