2015/11/28

赤色シェルの 『オランジーナ <カシス&オレンジ>』 は果たして、パリの夜空を大輪の花火で焦がすことが出来るか?

サントリーフーズ社は、果汁入り微炭酸飲料 『オランジーナ』 のラインナップに <カシス&オレンジ> を加え、2015年11月27日 (金) より、セブン&アイグループの店舗限定で、全国新発売した [注1]。2015年11月27日 (土) 朝方、セブン-イレブン店頭にて確認、420mL入り1本税込み162円であった。

キャップの図柄であるが、赤色シェルに、ホワイトオペークインキで 「ORANGINA」 のロゴが入り、ロゴの下には小さく 「オランジーナ」 の文字がルビのように添えられている。開栓方向指示矢印はない。青色シェルキャップからの完全なる流用である。

赤色シェルは色合いが鮮やかで美しい。因みに、「ORANGINA」 ロゴのキャップで使用されている色は 「青・白・赤」 のトリコロール旗からインスパイアされたものである。

▼ 2012年03月27日 (火)
 『オランジーナ』
  青色シェル+ホワイトオペークインキ
  「ORANGINA」 ロゴ

▼ 2015年03月31日 (火)
 『レモンジーナ』
  緑色シェル+ホワイトオペークインキ
  「LEMONGINA」 ロゴ

▼ 2015年11月27日 (金)
 『オランジーナ <カシス&オレンジ>』
  赤色シェル+ホワイトオペークインキ
  「ORANGINA」 ロゴ

『オランジーナ <カシス&オレンジ>』 は通常であれば、パッケージにも記されている通り、単なる年末・年始の季節限定販売品であった筈である。パッケージに曰く 「Life can be sometimes bitter like orange peels, but ORANGINA will always bring you a fruitful & joyful year. Happy Holidays!」[(仮訳) 人生には時折陳皮の如く苦きことあり、されどオランジーナは必ずや汝に歓喜溢れる豊饒の年をもたらさん。ハッピーホリデーズ!]。嗚呼! 何と饒舌な宣伝コピーなのだろう。でも、この製品の企画段階では、何人も、2015年11月13日に起こるパリ同時多発テロのことなど知る由もない。時として、時代が商品コンセプトを抜き去ることがある。今となっては、万天の星空に花火のイラストなど、文字通り絵空事でしかない。

今回、『オランジーナ <カシス&オレンジ>』 の発売日が金曜日にずれ込んだのは、パリ同時多発テロの影響がないとは言い切れない。ニュースリリース発表日が発売日前日であることがその最大の根拠である [注1]。恐らく関係者の間で、熱い議論が交わされたことは想像に難くない。単なる季節限定販売品がテロに対して強いメッセージ性を秘めた瞬間である。意識すると、しないとに拘わらず、今回の事件は我々一人ひとりに事の重大さを突きつけている。

「自由・平等・博愛」。フランス市民革命時に掲げられたこの理想が今、「文明の衝突」 の前で揺らいでいる。人類が、「9・11」 や 「11・13」 を超克することが出来なければ、世界は地獄の業火で焼き尽くされることになる。憎しみの連鎖は断ち切られなければならない。

■ 商品表示データ ■
『オランジーナ <カシス&オレンジ>』 (ペタロイド脚付きオリジナルシェイプ瓢形420mL耐圧ペットボトル)
<品名> 12%混合果汁入り飲料 (炭酸ガス入り)
<原材料名> 果実 (オレンジ、レモン、マンダリンオレンジ、グレープフルーツ、カシス)、糖類 (果糖ぶどう糖液糖、砂糖)果実繊維、オレンジピールエキス、炭酸、香料、カロチノイド色素、酸化防止剤 (ビタミンC)
<栄養成分> (100mLあたり) ●エネルギー:43kcal ●たんぱく質:0g ●脂質:0g ●炭水化物:10.7g ●ナトリウム:0mg
<販売者> サントリーフーズ株式会社 (東京都中央区京橋3-1-1)
<JAN> 49-01777-28228-5

■ 参照キャップデータ ■
『オランジーナ <カシス&オレンジ>』 (ペタロイド脚付きオリジナルシェイプ瓢形420mL耐圧ペットボトル) の賞味期限+製造所固有記号: 「2016.05.04/JP」。賞味期限は180日 (約6カ月)(未開栓)。キャップは、CSIジャパン社製 「GA-Lok」 (ロット番号 (モールド#/キャビティ#):G6/37)。ボトル (ロット番号:1P/06)。プリフォーム [白(結晶化)/PCO1810](ロット番号:D67-49)。06:46

注1) 「『オランジーナ カシス&オレンジ』 全国のセブン&アイグループ限定で新発売 ―パーティーシーズンにぴったりの季節限定オランジーナ―」 サントリー ニュースリリース# No.SBF0376 (2015/11/26)

2012/04/15

大塚製薬 『ION WATER』、粗ギザ印刷キャップ出現で陽圧ボトル4兄弟 (姉妹) 揃い踏み

大塚製薬の 『ION WATER』 (500mL PET) に粗ギザ印刷キャップが出現した [注1]。

2012年4月15日夕方5時近く、Dozenさんからの緊急電話連絡で知った。いくら休日とは言え、もうこの時刻には起きている。早速、探索に出かけた。

存在しないものを探すのは大変な労力を要するが、存在することが分かっているものを探すのは意外と簡単である。私の場合、「虎の巻」 [注2] を頼りに、ほぼルーチンに沿って探せば済むからである。そうした意味でも、ペットボトルキャップコレクションにとって、<情報> こそが全てといっても過言ではない。Dozenさんには、いつも貴重な情報を頂き、感謝である。多謝!

今回の探索場所は、前回と同じ。電話連絡から、30分後には、地下鉄に通じる地下コンコース設置のベンダーで無事入手することが出来た。500mL入り1本150円也。

ところで消費税についてである。自販機の場合、店頭手売り商品と異なり、3円のつり銭が貰えない。毎度自販機と相対したとき思うことであるが、消費税3%導入時点で10円値上げされた。5%導入時点で更に10円値上げされた。その結果、実質物価上昇率を敢えて無視すれば、消費税は20%となる計算である。この上、消費税10%時代が到来した暁には、標準的な500mL入りPETボトル飲料の価格は、現在より20円値上げされ、定価160円となる。税込みでは何と! 168円である。更に、自販機では1本170円となる。恐ろしいことである (くわばら! くわばら!)。

私は、基本的には、税率引き上げ云々以前に、消費税そのものの存在に反対の立場である。世間では、「将来的には消費税10%でなければやっていけなくなる」 というデマゴーグにまんまと乗せられて、「値上げも止む無し」 の意見が大勢を占めつつあるようであるが、きちんと自分の頭で考えているのだろうかと、常々思う。この国の人々は 「お人好し過ぎる」。直ぐに世論操作に絡め取られてしまう。反論を敢えて覚悟で言わせて貰えば、ミーイズムの蔓延で、「特別な私」 意識は人一倍強いくせに、批判的に物事を思考したりすることには不慣れなようである。

少しだけ考えてみて欲しい、消費税が導入されてから、経済活動が停滞し始めたことを。消費マインドが冷え込み、消費税の経理処理が煩雑さを増し、不公平税制 (大企業への輸出戻し税、一般消費者の負担の逆進性、大企業の中小企業への消費税の転嫁、益税による国庫歳入不足、等々) の恒常化が起こった。消費税は、真っ当な経済活動における阻害要因でしかない。正常な経済活動が、社会を豊かにする筈なのに、これでは富の一極集中が進むのは当然の成り行きである。第二次大戦後、経済的ダイナミズムから脱落し、没落したヨーロッパの税制に範を得た消費税そのものが、悪なのである。

話が、私憤の方向にずれ、読者との間に軋轢を生じそうなので、本題に戻る。

さて、キャップの図柄であるが、従来から使用されているものと基本的には同じである。白色キャップ地に水色の刷り色で、小さく 「POCARI SWEAT」 のシリーズ名、2行目と3行目に 「ION」 と 「WATER」 の商品名、その下に波を表現したポカリウェーブ、更に下方に 「OPEN→」 の開栓方向指示から構成される。図柄に変更はないが、陽圧ボトルに切り替えられたことから、キャップは粗ギザとなった。

『ION WATER』 の粗ギザ印刷キャップ出現も、前回の 『energen』 と全く同様の段階を踏襲している。先ず、ボトルの変更が、2011年の秋頃実施され、「白無地キャップ」 期を経て、今回の印刷キャップへ至る [注2]。

従って、今回の粗ギザ印刷キャップの導入時期も前回の 『energen』 とほぼ同時期と考えられる。2012年4月15日 (日)、Dozenさんがスーパー店頭で発見した 『ION WATER』 と、その情報をもとにして私が自販機で購入した 『ION WATER』 の賞味期限+製造所固有記号は以下の通りである。


表1. 『ION WATER』 と 『energen』 の賞味期限+製造所固有記号と推定製造日

▼ 陽圧ボトル 『ION WATER』 の賞味期間=360日、約12カ月
  「13.01.21 OJT」 (自動販売機)
    → 推定製造日: 2012/01/27
  「13.02.18 OJT」 (スーパー店頭)
    → 推定製造日: 2012/02/24
▼ 陽圧ボトル 『energen』 の賞味期間=180日、約6カ月
  「12.07.23 OJT」 (自動販売機)
    → 推定製造日: 2012/01/24
  「12.08.18 OJT」 (スーパー店頭)
    → 推定製造日: 2012/02/19


陽圧ボトルの 『ION WATER』 (500mL PET) の賞味期間が約1年であることから、印刷キャップ付きの製品は、少なくとも2012年1月27日頃には既に製造されていると推測される。『energen』 の製造時期とほぼ一緒である。スーパー店頭への投入が5日遅れであった理由も、これで説明が付く。

『ION WATER』 の粗ギザの出現で、セプタロイド (7脚) 陽圧ボトル (500mL) の粗ギザキャップは全て出揃ったことになる。『ポカリスエット』、『アミノバリュー』、『エネルゲン』、そして 『ポカリスエットイオンウォーター』 の4兄弟 (姉妹) である。


表2. セプタロイド (7脚) 陽圧ボトル充填製品の粗ギザ印刷キャップ出現時期一覧

▼ 『ポカリスエット』 [注4]
   出現時期: 2007年4月上旬頃

▼ 『アミノバリュー4000』 [注3]
   出現時期: 2009年11月2日

▼ 『エネルゲン』 [注2]
   出現時期: 2012年4月上旬頃

▼ 『ポカリスエットイオンウォーター』
   出現時期: 2012年4月上旬頃

注) これは 「粗ギザキャップ」 の出現時期ではなく、「粗ギザ印刷キャップ」 のものであることに留意。


今後の関心事は、『アミノバリュー』、『エネルゲン』、『ポカリスエットイオンウォーター』 の弟 (妹) 達に、いつカド丸キャップが出現するかであるが、こればかりは気長に待つしかない。

■ 商品表示データ ■
『ION WATER』 (30%軽量化丸形7脚500mL陽圧ペットボトル)
<名称> 清涼飲料水
<原材料名> 果糖、果汁、食塩、酸味料、香料、塩化K、乳酸Ca、塩化Mg、甘味料 (アセスルファムK、スクラロース)
<栄養成分> (100mL当たり) ●エネルギー:8kcal ●タンパク質:0g ●脂質:0g ●炭水化物:2.1g ●ナトリウム:49mg ●カリウム:20mg ●カルシウム:2mg ●マグネシウム:0.6mg
<電解質濃度> [陽イオン (mEq/L)]:Na+:21、K+:5、Ca2+:1、Mg2+:0.5、[陰イオン (mEq/L)]:Cl-:16.5、citrate3-:10、lactate-:1
<製造者> 大塚製薬株式会社 (東京都千代田区神田司町2-9)
<JAN> 4508-1187

■ 参照キャップデータ ■
『ION WATER』 (30%軽量化丸形7脚500mL陽圧ペットボトル) の賞味期限+製造所固有記号: 「13.01.21 OJT」*。賞味期限約12カ月。キャップは、日本クラウンコルク社製ワンピースキャップ 「28NCフラップ-アセプ」 [粗ギザタイプ] (Mold#-Cavity#:N52-71)。ボトルは自社成型 (ロット番号:T2-0C)。プリフォーム [透明/PCO-1810] (ロット番号:AS3 A3278)。製造ロット番号: 07:03 F

* ボトル肩部に印字、OJT = 大塚製薬株式会社 高崎工場 (370-0021 群馬県高崎市西横手町351-1)

注1) 大塚製薬 「あたらしい水。ION WATER」 (商品情報) [アクセス日: 2012年4月15日]
注2) 「大塚製薬 『energen』、陽圧ボトルへの切り替えと粗ギザ印刷キャップの出現」 ペットボトルキャップ時評 (2012/04/11)
注3) 「 大塚製薬 『アミノバリュー4000』 に陽圧ボトル用粗ギザキャップ出現」 ペットボトルキャップ時評 (2009/11/04)
注4) 「大塚製薬 『POCARI SWEAT』 のボトルとキャップを軽量化」 ペットボトルキャップ時評 (2007/06/05)

2011/04/17

ペットボトル・キャップ・クライシス

この週末、東京では満開だった桜の花が散った。今年は、春の到来を寿ぐこともなく季節が過ぎて行った。人々は、心に半旗を掲げならが暮らしている。深夜、街は息を凝らし、その存在感を誇示すかのように灯されていた煌々たる光の束はもはやそこにはない。行き交う人の気配さえその闇の中に押しとどめている。いつしか、自らの心の迷宮に足を掬われそうになる。

3月11日の大地震と大津波がもたらした惨状は、あまりにも悲惨で言葉にすら出来ない。大津波はそれまでの原発の 「安全神話」 の虚構を剥ぎ取り、人々の生活を非日常の中に叩き込んだ。

地震発生から1ヵ月を経過したと言うのに、毎日のように震度4以上の余震が続く。福島第一原発の炉心は既にメルトダウンを起していると言われる。今頃になって、チェルノブイリと並ぶ 「レベル7」 であったと政府は過去形で発表している。体温計の目盛りが42℃までしか刻まれていないように、IAEA (国際原子力機関) の事故評価尺度も 「レベル7」 までしかない。それ以上は人類存亡の危機を意味するからである。

放射能が際限なく撒き散らされ、汚染被害を食い止める術すらない。被災者の苦難を思えば、こんなことでワナワナとふるえ慄いている自分が恥ずかしくなる。でも、今にも心が折れそうなる。これが偽わざる心境である。

ここ1ヵ月間、ブログの更新を控えて来た。ペットボトルキャップについて語ることが、今本当に必要かどうかを幾度となく自問自答してみた。今なすべきことが、他にあるのではないかと考えた。はっきり言って、いまだに答えが見出せずにいる。

更新休止期間中、皮肉にもアクセス数が1日平均1000件を超える日が幾日も続いた。平時には100件前後のアクセス・ビューにもかかわらずである。読者の関心事は、個々の清涼飲料水の製造工場が <何処> なのかに集約された。「食の安全性」 に対する危機感の現われなのであろう。確かにマスメディアが喧伝するように、過剰反応に思えなくもない。でも、正確な判断材料が得られない中、みんな懸命なのだと思う。

そもそも 「製造所固有記号」 とは、飲料メーカーが食品包装の表示面積の制約のために、製造者と販売者を併記することが出来ない場合に限り、あらかじめ消費者庁長官にを届け出た場合にのみ、例外的に販売者の表示で代用出来るとした制度に過ぎない。決して、依託メーカーの名称や所在地を秘匿するための制度ではない。今日のそれは、食品メーカーの隠れ蓑として使われている。本来の目的を逸脱した使用法であるが、なぜか黙認されている。飲料メーカー各社は、直ちに 「製造所固有記号」 の一覧表を自社ホームページに公開すべきである。また、電話やメールでの問合せにも、まじめに対応すべきである。このことは、消費者庁食品表示課が2009年9月に作成した 「製造所固有記号に関する手引き (Q&A)」 において明記されている。そこには、製造所所在地だけでなく製造者の情報も提供するように示唆されている。

また、キャップ供給が滞るため、操業停止を余儀なくされる飲料メーカーからの問合せも頂いた。もはや、ここに留まっている訳にはいかない。一刻も早く日常を回復する必要がある。当ブログは当初、日々の些細な出来事を記録する目的で始めた。今もそのスタンスは変わらない。その切り口がペットボトルキャップであったに過ぎない。でも、こうした何でもない情報を必要とする人々がいることを知った。

大震災発生から1ヵ月後の2011年4月13日 (水)、全清飲 (全国清涼飲料工業会) は、ペットボトルキャップの 「白無地統一」 に合意した。ペットボトルキャップも今回の大惨事から無縁ではいられない。今回は、この決定に至るまでの、ここ1ヵ月間の出来事を振り返ってみた。巻末に、参考資料として関連記事を時系列にまとめた。

              ★

今回の大惨事は、マグニチュード9.0という巨大地震、100年に1回の規模の大津波、そしてレベル7の福島第一原発事故という3つの要因が重なった結果である。加えて、政府の無策と風評被害が状況を更に悪化させている。

2011年3月11日 (金)、大震災発生直後より首都圏の鉄道網はすべて遮断され、夕方、多くの帰宅難民をつくり出した。既にこの時点でコンビニ棚からミネラルウォーターは姿を消しつつあった。

この日、日本山村硝子プラスチックカンパニー宇都宮工場 (栃木県宇都宮市 ) [1]と、日本クラウンコルク石岡工場 (茨城県石岡市) [6] が被災し、操業停止に陥っていた。

3月14日 (月) から実施された東京電力の計画停電の影響により、コンビニの照明は一部が落とされた。陳列棚からは完全にミネラルウォーターが姿を消した。この時点では、被災地向け緊急支援のため、一時的な品薄状態と考えていた。

クロージャー・システム・インターナショナル・ジャパン (CSIジャパン) の野木工場 (栃木県下都賀郡野木町) も、計画停電実施エリア第2グループ (後に2-Aに細分化) にあることから、操業にかなりの影響が出ていたものと思われる。

当初、2L入りミネラルウォーターのみならず、国産の500mL入りの小型PETに至るまで品薄状態が続いていた。その後、商品の未入荷状態が除々に解消され、70~80%程度まで回復した。

転機は3月23日 (水) に訪れた。この日、東京都水道局金町浄水場の水道水から、乳児の摂取制限の暫定基準値を超える濃度の放射性ヨウ素131が測定されたことが発表された [3]。この報道発表を契機として、ミネラルウォーターパニックが始まった。またもや、コンビニ棚から一斉にミネラルウォータが消えた。ミネラルウォーター製造工場には、生産が追いつかない程の追加注文が寄せられ [4-5,7,10,14]、飲料メーカー各社は緊急輸入を検討し始めた [12,17]。

そして、3月23日 (水)と3月25日 (金)、飲料キャップ供給メーカー第3位の日本山村硝子と第1位の日本クラウンコルク両社が、当面の間、東北地方にある自社工業の復旧が困難であることをプレスリリースにて明らかにした [2,6]。すなわち、ペットボトルキャップの国内供給体制が危機的状況にあることの正式な表明である。また、復旧までには3~4ヶ月を要するとする観測が流れた。

供給不足に陥っているのは、キャップばかりでなく、各種食品や飲料のボトルやラベルに至る包装資材全般に及んでいる [11,15,27]。このため、発泡スチロール製容器に入った納豆が一時完全に姿を消した [27]。また、サーフビバレッジ社は、シュリンクラベルなどの商品表示の一切無い1Lペットボトル入りミネラルウォーターを消費者庁への届出によって、実現している。

キャップ供給メーカー各社における被災状況は以下の通りである。

キャップメーカー最大手の日本クラウンコルクは、主力2工場のうち石岡工場 (茨城県石岡市) が被災したため、現在、岡山工場 (岡山県勝田郡勝央町) にて増産体制に入っている [8]。業界第2位のCSIジャパン社は、明確な被災状況の発表はないものの、野木工場 (栃木県下都賀郡野木町) にて操業を継続しているものと思われる。業界第3位の日本山村硝子プラスチックカンパニーも、主力2工場のうち宇都宮工場 (栃木県宇都宮市 ) が被災したため、残る関西工場 (兵庫県加古郡播磨町) にて増産体制に入っている [8]。これにより、生産量は全国で通常時の3/4まで低下しており、供給が停止された飲料メーカーも出始めていると言う [8]。

日本の飲料キャップの製造は、上記の3社に大和製罐の子会社である大和ノーベンバル社 (大阪府茨木市) を加えた4社で全体のシェアの90%に及んでいる。飲料キャップは、キャップ飛び、内容物の漏洩、炭酸濃度の維持など、気密性と内圧制御の必要上、他の用途のキャップに比べ、遥かに高い精度を要求されている。また、導入時の製造ライセンスの関係上、他のプラスチックキャップ製造業者の参入が困難とされてる。

加えて、この間の技術革新は、環境負荷に対する軽量化とユニバーサルデザインによるナール形状の多様化を実現して来た。更に、近年のカラーキャップの多様化は、製品プロモーション上不可欠な要素になっている。こうした改良の結果、キャップには多様性が生まれ、ペットボトルキャップの商品文化を成熟させて来た。

しかしながら、キャップ供給メーカー3社は、3月26日 (土) より、これら多品種製造が生産効率低下の原因だとしたキャンペーンを開始し [8,18]、3月29日 (火)、飲料メーカーの業界団体全国清涼飲料工業会 (全清飲) に対して、キャップの共通化・統一化を要請した。いわば、キャップ供給メーカー主導による非常時カルテルの発動である。

そして、4月13日 (水)、全清飲は上記要請を受け入れることで最終的合意に達した [20-26]。その結果、4月下旬より順次、全てのキャップから企業ロゴやブランドロゴが消え、「白 (色) 無地」 に統一されることなった。ただし、全清飲はこれを復旧までの暫定的処置としている [20]。

全清飲会員の中では、かなりの温度差があり、キャップの規格にさほど変化のないサントリー飲料は早々に支持を表明したものの、実験的にネジ山のピッチに新規規格を採用している 『い・ろ・は・す』 と多くの軽量キャップを展開する日本コカ・コーラ社などは、現場との調整に手間取った様子が伺える。

今回の合意により、全体の生産量の1割増が期待されるとはいえ、依然として供給不足であることに変わりはない。何故、キャップ供給各社は、海外の関係先キャップ製造メーカーに緊急支援を要請しないのだろうか、不思議でならない。

日本クラウンコルク社には、韓国に技術的ライセンスを供与している 「三和王冠」 との提携関係があり、日本国内と同一スペックのキャップ製造が行われている。CSIジャパン社には、CSIグループの中国生産拠点として 「天津輸出工場」 (2002年6月操業開始) と 「中国杭州輸出工場」 (2004年6月操業開始) の2工場がある。日本山村硝子社には、中国に 「展誠 (蘇州) 塑料製品有限公司」 (2004年2月設立) があり、またインドネシアに 「サンミゲル山村ウタマ・インドプラス」 (2011年1月操業開始) を関連会社として擁している [19]。確かに、資本関係が無いか、希薄なため、直接的な影響下にはないかも知れないが、緊急時の選択肢として検討すべきではないだろうか。

今回のキャップ危機は、「地震」 「津波」 「原発事故」 「風評被害」 という、これまでに経験したことのないような重層的な緊急事態を契機として発生したものである。しかしながら、本質的には、キャップ製造体制の寡占的構造とキャップ規格のカスタマイズ化の結果として顕在化した問題である。今後、恒常的に内包する問題の解決策を検討しておく必要がある。

              ★

今回の巨大地震による災害では、文明の無力さをまざまざと見せつけられた。利便性の追求や高度な消費社会の実現は、本当に私たちを幸せにしたのだろうか。ペットボトルキャップの危機に際して、顕在化したこうした問題は、遣り残した夏休みの宿題以上に、私たちを苦しめるかも知れない。

『預言者の言葉は、地下鉄の壁に書かれている。そして、安アパートの廊下にも』 (ポール・サイモン)

■ 参考文献 (飲料キャップ関連記事一覧 <時系列>)

[1] 「東北地方太平洋沖地震の被害に関するお知らせ」 日本山村硝子株式会 (2011/03/14)
[2] 「東北地方太平洋沖地震の影響に関するお知らせ(第2報)」 日本山村硝子株式会 (2011/03/23)
[3] 東京都水道局 「水道水の放射能測定結果について ~第17報~」 プレス発表 (2011/03/23)
[4] 「震災、樹脂・加工品の生産直撃 石化市場へ影響深刻に 飲用ボトル原料は品薄感」 日本経済新聞朝刊 (2011/03/24)
[5] 「ミネラルウォーターの需要の増加に伴う対応について」 農林水産省総合食料局長発 22総合第1772号 (2011/03/24)
[6] 「『東北地方太平洋沖地震』 による生産への影響について」 日本クラウンコルク株式会社 (2011/03/25)
[7] 「大震災で需要増 水道水に放射性物質 飲料各社、対応に苦慮 既にフル稼働 資材調達遅れ 一段の増産難しく」 日本経済新聞 (2011/03/25)
[8a] 南日慶子 「水の増産阻むフタ メーカー被災 種類多くて効率ダウン」 朝日新聞夕刊 (2011/03/26)
[8b] 南日慶子 「キャップ不足、ミネラル水の増産ピンチ 工場が被災」 朝日新聞電子版 (2011/03/26)
[10] 「水増産、県内ふる稼動 生産量日本1 注文10~20倍 地下水求め並ぶ列も 何かできる! ~山梨から」 朝日新聞朝刊 (山梨全県) (2011/03/27)
[11] 「被災地支援へ増産 県内企業 原材料調達課題に」 日本経済新聞 (地方経済面/長野) (2011/03/29)
[12] 「ミネラルウォーター 各社が緊急輸入」 朝日新聞夕刊 (2011/03/29)
[13] 「ペットボトル飲料キャップについてのお知らせ」 味の素ゼネラルフーヅ株式会社 ニュースリリース (2011/03/30)
[14] 「ミネラルウォーター 注文殺到、増産急ぐ 四国の事業者増員でも追いつかず / 資材調達、増産の壁に キャップやボトルなど 配送者も確保難しく」 日本経済新聞 (地方経済面/四国) (2011/03/30)
[15] 「食品・日用品品薄続く 容器・包装フィルム不足で」 讀賣新聞朝刊 (2011/04/01)
[16] 「工場再稼動 相次ぐ キリンビール/ビール系飲料 日本コカ/清涼飲料 DOWA/亜鉛」 日本経済新聞朝刊 (2011/04/02)
[17] 「安全求め需要急増、硬水も ミネラルウオーター輸入拡大」 産経ニュース (2011/04/04)
[18a] 「ペットボトルのキャップ共通化 飲料大手、品薄解消へ」 日経速報ニュース (2011/04/07)
[18b] 「ペットボトルのキャップ共通化 飲料大手、品薄解消へ」 日本経済新聞朝刊一面 (2011/04/07)
[19] 「ペット飲料キャップの生産開始:サンミゲル山村、売上2億円目指す[化学]」 NAAASIA [インドネシア版] (2011/04/12)
[20] 「PETボトル用樹脂キャップ白無地 統一のお知らせ」 全国清涼飲料工業会 (2011/04/13)
[21] 「東日本大震災について~ミネラルウォーターの需要増加に伴うペットボトル用樹脂キャップの共通化 (白無地) について~」 農林水産省 報道発表資料 (2011/04/13)
[22] 「ペットボトルキャップ、白無地統一 ミネラルウオーター、品不足の解消目指す」 産経ニュース (2011/04/14)
[23a] 「ペット容器のキャップを共通化 供給能力向上へ」 日経速報ニュース (2011/04/14)
[23b] 「キャップ共通化発表 全国清涼飲料工業会」 日本経済新聞朝 (2011/04/14)
[24] 「東日本大震災:ペットボトルふた、白無地に統一 不足解消で業界団体」 毎日新聞(東京朝刊) (2011/04/14)
[25] 「ボトルキャップ 白色無地で統一へ 飲料大手合意」 朝日新聞朝刊(東京本社) (2011/04/14)
[26] 「ボトルキャップ白に統一」 讀賣新聞朝刊 (2011/04/14)
[27] 青沼陽一郎 「水、コンビニ弁当、納豆、タバコ・・・ 地震でモノじゃなぜ消えた!?」 週刊文春、2011年4月14日号、133-136、2011

2011/03/13

ブログ更新の一時的停止について

読者各位

このたび、2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震と津波の発生に鑑み、当ブログサイト 『ペットボトルキャップ時評』 の更新を当分の間、中断致します。

これは、緊急時の復興期間中に限り、電力消費とインターネットのトラフィック使用を自粛する目的で行うものです。従いまして、3月中の更新は一切ありませんので、不急不要なアクセスは行わないで下さい。

今回の地震はマグニチュード9.0という1900年以降観測史上4番目の規模であり、その被害規模も予想をはるかに超える未曾有のものです。

行方不明者の方々の安否すら確認出来ない混乱期にある現在、無用な情報を発信することは厳に慎むべきという判断に至りました。

行方不明の方の一刻も早い救出と被災地の復興を祈念致します。

『ペットボトルキャップ時評』 編集主幹
OJ拝

2009/07/04

世界一背の低いペットボトルキャップ

『クリスタルガイザー』 には、2種類の色のキャップが存在する。大塚ベバレジが輸入している日本向け仕様の青色半透明キャップと一般輸入業者が平行輸入している米国国内向け仕様の白色半透明キャップの2種類である。詳細については既に、2007年5月17日付けブログ 「『CRYSTAL GEYSER』 の水色キャップと白半透明キャップ」 において言及しているので割愛する [注1]。

最近、近所の食品スーパーで平行輸入の 『CRYSTAL GEYSER NATURAL ALPINE SPRING WATER』 を購入した [注2]。税込み58円であった。よく観察すると、キャップは白色半透明であるが、ボトル形状と高さが異なる2種類の製品が一緒に売られていた。背の高い方 (以下、a-Tallと呼ぶ) は、大塚ベバレジが輸入しているものと同一仕様であるが、キャップの色とラベルデザインが異なるだけであった。一方、背の低い方 (以下、a-Lowと呼ぶ) は、米国版ラベルは全く同じであるが、キャップの形状が異なっていた。

米国版新旧2種類の製品の賞味期限表示を比較すると、(a-Tall) が 「SELLBY01/06/11」、(a-Low) が 「SELLBY04/21/11」 となっており、背の低いボトルの導入とキャップの変更が、ここ3カ月以内に行われたことが分かる。

ボトル高は、(a-Tall) が194mm、(a-Low) が206mmであり、12mmもの差がみられた。先ず、ボトルショルダー部のドーム形状が異なる。(a-Toll) の方は縦長であるが、(a-Low) の方はほぼ半球状である。また、『い・ろ・は・す』 発売以前よりボトルの軽量化が推進されていたPET容器も、ペコペコする外壁の強度を保持するために、リング状のリブ構造 (蛇腹パターン) が、(a-Low) では一挙に2倍となっている。また、ドーム部分にも波形のリブ構造が装飾的に付加された。

しかしながら、今回の変更において最も注目すべきは、キャップの規格変更である。今回新たに導入されたキャップは、外径29.0mm、TEバンドを含む全高11.1mmであることから、「NOVAQUA 26.0」 である可能性が高い [注3]。これは、現在日本版のブルーキャップでも使用されている外径30.0mm、全高14.6mmの 「ASPEN 26.7 LO」 よりも実に3.5mmも背丈が低いキャップである。このキャップの全高は11.1mmであるが、それにはTEバンドの高さも含まれるため、開栓後のシェル本体のみの高さは、何と8mmしかない。私の知り得る限りでは、世界一背の低いキャップである。

ミネラルウォーター専用キャップのため、スレッドは当然3条ネジである。同じローハイトキャップでも、この辺の設計コンセプトが、CSD (炭酸飲料) 用に開発された一条ネジの 「PCO 1881規格」 とは決定的に異なる。

新たに投入された 「NOVAQUA 26.0」 の特徴は、ナールの数が72線 (ナール間角度5°) であることである。見た目では 「粗ギザ」 に近い。また、ナールの切り込みが天面部からいきなり始まっているため、従来のキャップのように、角に丸み (アール) が一切ない。ほんの少し面取りされている程度である。真上から見ると、まるで時計の歯車の断面のように見える。更に、ブリッジの数も6個所と少ない。また、ボトルのサポートリングも、キャップの外径とほぼ同じ大きさになっている。このため、キャップ部分が首をすくめた亀のような印象を与えている。今回のキャップとネックフィニッシュの規格変更に伴い、使用される樹脂の原材料が30~40%削減されたらしい [注3]。これに、梱包時の風袋を考慮すると、かなりの輸送コストの削減に繋がるようである [注2]。

しかしながら、今日の飲料キャップのローハイト化は、環境負荷低減という国際的な環境意識の高まりの成果というより、製造及び輸送コストの削減という企業側の思惑の方が先行している気がする。環境に配慮すると言うならば、採水地より遙か遠方の地に運ぶより、製造した現地で販売し、消費すればいいだけのことである。わざわざ、フード・マイレージを増加させてまで、極東の地まで運ぶことの意味はない。もし、真意があるとすれば、販売エリアの拡大以外にはないだろう。であれば、「環境」 などとうい美辞麗句を方便として使うべきではない。

今回、米国版との比較検討のため一般的なコンビニで、(b) 日本版も購入してみた。110円であった。平行輸入版の約1.9倍の価格設定である。賞味期限表示は奇しくも、(a-Low) の翌日の 「110422」 であった。このことは、現在、米国版と日本版との間に製造スペックの統一がはかられていないことを意味する。折角、環境に優しいポーズを示そうとしていたのに、そのポーズすら破綻し掛けている。困ったことである。

大塚ベバレジが輸入販売しているブルーキャップ版 『クリスタルガイザー』 がこのローハイトキャップに変更されることは暫くはないと思われる。その理由は、日本国内の消費者の動向にある。大塚ベバリジは昨年、消費者からの 「かび臭い」 「薬品のにおいがする」 と言った内容のクレームを受け、2008年11月17日に 『クリスタルガイザー (500mL PET)』 約800万本の自主回収を行っている [注4]。理由は、夏場の長期倉庫保管が原因であったらしい。800万本といえば、40万キロリットルなので、10トントラック40台分である。定価が110円なので、単純計算すると実に末端価格8億8,000万円分の売上げが消えたことになる。その後、パッケージラベルの 「おねがい」 欄に 「ニオイが強いものといっしょに保管しないで下さい」 という自戒の念とも免責とも取れるメッセージが記載されるようになった。

本来、プラスチックとは匂い移りするものである。そのことと内容物の水の安全性が直接リンクする訳ではない。しかしながら、「食の安全」 に対する考えが行き過ぎると、こうした滑稽な現象が引き起こされる。世界では飢餓に瀕した人々がいるというのに、この国では平気で食べられる物を廃棄している。安全な飲料水を確保出来ずに泥水をすする人々がいるのに、この国では飲んでも問題のない水を捨てている。風評被害を抑えるためと言い訳し、世間もそうした企業の姿勢を誠実だと考えるようになった。でも今一度自分の頭で考えてみよう。食糧自給率が低く、多くの化石燃料に依存してまで、遠方より食物を運ぶことが、はたして環境に優しい姿といえるだろうか。

自主回収の原因が、大量消費を背景とした大量輸送、大量保管にあるとしたら、もう一度、そのビジネスモデル自身を再点検する必要があるのではないだろうか。

キャップの規格が変わるということには、様々な意味がある。

■ 商品表示データ ■
(a-Tall) 『CRYSTAL GEYSER NATURAL ALPINE SPRING WATER』 [米国版] (丸形軽量化耐熱PET 500mL)
<品名> スプリングミネラルウォーター
<原材料名> 水 (湧水)
<原産国> アメリカ合衆国
<栄養成分> (100mLあたり) ●エネルギー:0kcal ●たんぱく質:0g ●脂質:0g ●炭水化物:0g ●ナトリウム:1.13mg ●カルシウム:0.64mg ●マグネシウム:0.54mg ●カリウム:0.18mg
<硬度>38mg/L (軟水)
<輸入者> 有限会社サン・フォース (神奈川県相模原市大島3022-1番地)
<UPC> 0-75140-00502-4

(a-Low) 『CRYSTAL GEYSER NATURAL ALPINE SPRING WATER』 [米国版] (丸形軽量化耐熱PET 500mL)
[以下、a-Tallに同じ]

(b) [比較検討用] 『CRYSTAL GEYSER NATURAL ALPINE SPRING WATER』 [日本版] (丸形軽量化耐熱PET 500mL)
<品名> スプリングミネラルウォーター
<原材料名> 水 (湧水)
<採水地> ウィード (シャスタ水源)
<原産国> アメリカ合衆国
<栄養成分> (100mLあたり) ●エネルギー:0kcal ●たんぱく質:0g ●脂質:0g ●炭水化物:0g ●ナトリウム:1.13mg ●カルシウム:0.64mg ●マグネシウム:0.54mg ●カリウム:0.18mg | ●バナジウム5.5μg
<硬度>38mg/L (軟水)
<輸入者> 大塚ベバレジ株式会社 (東京都千代田区神田司町2-9)
<JAN> 0-75140-00510-9

■ 参照キャップデータ ■
(a-Tall) 『CRYSTAL GEYSER NATURAL ALPINE SPRING WATER』 [米国版] (丸形軽量化耐熱PET 500mL) の製造日 「01 0106091514」*、賞味期限 「SELL BY 01/06/11」。賞味期限は24カ月。製造所固有記号は輸入品につきなし。キャップは、Novembal USA社製 「ASPEN 26.7 LO」 高密度ポリエチレン[HDPE]φ26.7mm径ワンピースキャップ (ロット番号:1.027)。ボトルは工場内成形 (ロット番号:OLAN2/18)。プリフォーム [透明] (ロット番号: 24 CG-68)

* 注:製造日 「01 0106091514」 は、米国太平洋標準時2009年1月6日15時14分を表す

(a-Low) 『CRYSTAL GEYSER NATURAL ALPINE SPRING WATER』 [米国版] (丸形軽量化耐熱PET 500mL) の製造日 「0421091804」、賞味期限 「SELL BY 04/21/11」。賞味期限は24カ月。製造所固有記号は輸入品につきなし。キャップは、Novembal USA社製 「NOVAQUA 26.0」 高密度ポリエチレン[HDPE]φ26mm径ワンピースキャップ (ロット番号:1.05)。ボトルは工場内成形 (ロット番号:570A/1/OLA)。プリフォーム [透明] (ロット番号: EU-0703-09)

(b) [比較検討用] 『CRYSTAL GEYSER NATURAL ALPINE SPRING WATER』 [日本版] (丸形軽量化耐熱PET 500mL) の賞味期限 「110422」。賞味期限は24カ月。製造所固有記号は輸入品につきなし。キャップは、Novembal USA社製 「Aspen 26.7 LO」 高密度ポリエチレン[HDPE]φ26.7mm径ワンピースキャップ (ロット番号:4.047)。ボトルは工場内成形 (ロット番号:A9)。プリフォーム [透明] (ロット番号: T8 CG-47)。製造ロット番号: S5 07:59

注1) 「『CRYSTAL GEYSER』 の水色キャップと白半透明キャップ」 ペットボトルキャップ時評 (2007/05/17)
注2) 「CRYSTAL GEYSER NATURAL ALPINE SPRING WATER」 (米国版製品サイト)
注3) Tetra Laval, Brussels Conference, November 27th, 2007
注4) 「大塚ベバレジ 『クリスタルガイザー500mLペットボトル』 の一部商品自主回収のお知らせ」 大塚ベバレジ株式会社ニュースリリース (2008/11/17)

2008/09/25

ナショナルクラウンの倒産

2008年9月24日、ナショナルクラウン株式会社が東京地裁に自己破産を申請し、実質上倒産した [注1]。この会社は、ビールや酒類のキャップが中心であったため、焼酎用の36mm径キャップを除き、清涼飲料水用の28mm径キャップではあまり馴染みがない。同社のホームページには、アセプティック充填用の 「AQキャップ」、ホット充填用の 「BZキャップ-BHU」、そして炭酸飲料用の 「BZキャップ-BU」 [注2] が掲載されているものの、28mm径キャップ市場でのシェアはほとんどなかったと思われる。

実は、1個だけポリエチレン製ワンピースキャップである 「AQキャップ」 を持っている。恐らく、ミネラルウォーター用であったと思われるが、キャップの内側に、同社の 「S」 字のコーポレートマークがエンボシング加工されたものであった。キャップの角がやけに丸みお帯びた形状であるという印象を受けた記憶がある。恐らくこれは、1984年8月のクラウンオブリスト社との技術提携によるものと考えられる。

同社の歴史は、1904 (明治37) 年10月に、土田千造が輸入コルクによる壜栓とコルクパッキングを製造したことに始まる [注3]。これは、日本山村硝子の前身である山村製壜所 (1914年)、アルコア・クロージャー・システムズの前身である柴崎製作所 (1936年)、東洋製罐の子会社である日本クラウンコルク (1941年)、大和ノーベンバルの親会社である大和製罐 (1950年) などよりも創業が早く、歴史も古い。まさに、キャップ製造業の先駆者であったといえる。

しかしながら、サブプライムモーゲージローンの破綻に端を発し、行き場のなくなった投機マネーによる原油先物相場の高騰などが、今日の危機的状況を引き起こしていると言える。決して、ペットボトルキャップコレクターも安穏としてはいられない。私は、現在の世界経済をクレオン・スクーセンの提唱する 「naked capitalism (裸の資本主義)」 として捉えている。欲望を剥き出しとしたカネの亡者どもの前には、「人の情」 の入り込む間隙すら存在しない。エコノミストを自称する人たちに言いたい。「君たちがどこに行こうと勝手だが、頼むからその手を離してくれと」 (ウラジーミル・イリイチ)。

今は、心より同社の再建を願うばかりである。

注1) 「キャップ・王冠製造 ナショナルクラウン株式会社 [TDB企業コード:985560503] 破産手続き開始決定受ける 負債31億7500万円」 帝国データバンク 「大型倒産速報」 (2008/09/25)
注2) ナショナルクラウン株式会社プラスチックキャップ」 (ホームページ)
注3) ナショナルクラウン株式会社会社案内」 (ホームページ)

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